「まず土地探し」は古い
家を建てる時、最初に何をしようと思いますか?
多くの方は、「まずは土地探しだ」と考えています。
しかし、これは少し古い考えなのかもしれません。
それを知らずに土地探しからしてしまい、そこが家づくり失敗への入り口だったなんてこともあります。
なぜなら、土地は不確定要が多すぎて、わかりにくいからです。
例えば、
・希望の家が建てられる土地の広さなのか
・どうしても希望のエリアで土地が見つからないが、どうやったら見つけられるのか
・販売価格は妥当なのか
・近隣よりも妙に安い土地だが、どんな理由があるのかわからない
など、専門家ではない住宅取得者が判断できない条件ばかりです。
そして、何よりも人気のエリアは土地の価格が高騰している。
土地で予算オーバーになり、希望の会社で家を建てることができないなんてことも耳にします。
また、そもそもインターネットで土地探しをしても、全然見つかりません。
なぜなら、土地情報は先に不動産会社と住宅会社の間で情報交換をし、そこで売れ残ったものが一般公開されるからです。
要は、インターネット検索で出てきた土地情報は余りもの。
だから、希望の土地や予算に合う土地が見つかりにくいわけです。
「とりあえず展示場」は迷路の入り口
土地探し以外に最初に取り組む行動が、「とりあえず展示場」です。
実物を見てみないと判断できないという点で、展示場を見に行くことは有効ですが、そこに自分たちが求めている暮らしがあるのかが問題。
これから家づくりをしようという段階では、自分たちが何を求めているか定まっていない場合がほとんど。
その段階で展示場見学をしてしまうと、何がいいのかわからない迷路に突入します。
また、何も評価軸を持たないまま見学してしまうと、全く印象に残らないこともしばしば。
貴重な休日を無駄にしないためにも、自分たちの暮らしの価値観に合うかどうかの物差しを持って行かなければなりません。
暮らしに関する価値観については、「家づくりを始める心構え」をご覧ください。
新築住宅は考え始めてから入居まで約1年
土地探しでもなければ、展示場見学でもない。
では、どのようなステップで家づくりに取り組めばいいのか。
家づくりを考え始めてから引越しできるまで、新築の注文住宅では1年ぐらい見込んでおく必要があります。
まずは、家づくりについて勉強しましょう。
当カウンター主催のような、住宅会社ではない第三者機関の勉強会がオススメです。
選択肢や流れを知った上で、家族の価値観に合うものに絞っていきます。
ただし、住宅は専門性が高く、家族間だけで話し合っていてもすぐにわからないことにぶつかります。
そんな時は、個別相談サービスを利用しましょう。
第三者の専門家を入れることで、専門的な知見と公平な立場で価値観を整理してくれます。
それができたら、住宅会社探しのために各社のイベントへ参加です。
価値観が明確であれば、何十社も見る必要はありません。
会社が2~3社に絞れたら、ヒアリングを受け、ファーストプランと概算見積を提案してもらいます。
ここでもう1社に絞ってしまいましょう。
なぜなら、ファーストプランが住宅会社にとって一番気合の入ったものだからです。
そこで好印象を抱けない会社と何度やり取りしても、上手くいく確率が低い。
ただし、ヒアリングで可能な限り正直に、予算も含めて今の思いを伝えてください。
ここで変な駆け引きをして本音を隠してしまうと、最上級のファーストプラン提案を受けられません。
家を建てる会社が1社に絞れたら、あとは細かい打合せを重ねていきます。
基本設計では、ファーストプランから修正を重ねて、より理想に近づけていく。
実施設計は、工事用の図面として細かい部分を詰めていきます。
その間、お客さんは住宅設備機器のショールームでキッチンやトイレを決めたり、内外装の仕上げを決める等、仕様決めをする。
全て決まれば住宅会社と契約し、工事に着手します。
規模にもよりますが、工事期間は半年前後です。
このようなステップをたどると、あっという間に1年が経ってしまいます。
多くの住宅取得者がつまずくのは、最初のステップです。
必ず家族間で「どうして家を建てるのか?」考えて、価値観を少しでも共有してみて下さい。
それが家づくりを進める中で何度もある取捨選択の基本となり、家づくりを成功に導いてくれます。