一級建築士 つるみーの     家づくりコラム

2022.05.18

家を建てる前に知っておくべきこと

【家づくりを始める心構え】家を建てる前に知っておくべきこと①

マイホームについて話すタイミングが、結婚や出産などライフステージの変化と重なることは珍しくありません。

しかし、家族が増え、現在の住まいが手狭になったからといって、本当に家を建てる必要があるのでしょうか

今回は、一級建築士である私の考えをお話しします。

 

家を建てることは、手段であり目的ではない

家は必ずしも、建てなければいけないものではない」と私は思っています。

 

本来、家を建てる行為は、手段の一つにすぎません。

結婚や出産を機に家を建てる方が多いことは事実ですが、「周りがそうしているから……」という理由で家を建てる必要はないのです。

家庭によって、ライフスタイルやライフプランは異なります。

まずは「家を建てる、建てない」ではなく、「どのように暮らしたいか」を思い描いてみましょう。そうすることによって、自然と充実した家づくりに繋がり、成功への近道になります

 

“住”の価値観を共有し「何のために家を建てるのか」を考える

「どのように暮らしたいか(理想)」と同じように、「何のために家を建てるのか(目的)」も大切です。

そして、この目的を考える際に、衣食住の1つである“住”の価値観を共有することも大事になってきます。

 

日本では、昔から生活する上での基本を「衣食住」と呼びます。

特に「衣」と「食」は、家庭科の調理実習や被服実習で詳しく学ぶ機会も多いでしょう。

また、日常でも「今日は何を着ようか」や「今日は何を作ろうか」と、毎日のように考えます。

このように「衣」と「食」は、私たちの暮らしと密接に関わっているのです。

 

けれども、「住」についてはどうでしょう。

学校では、図工や技術の授業中に家具作りをしますが、「どのような生活環境が快適か」という深い部分までは教えてくれません

日々の生活の中でも家について考える機会は少なく、実家を出る際に、初めて住まいについて考える人が多いと思います。

 

しかし、「住」に関する価値観は育ってきた環境が大きく影響します

いざ家を建てるために話し合いを始めると、家族間で意見が分かれてしまうのはこの「環境の違い」が原因です。

無駄な衝突を防ぐためにも、最初に“住”に対するお互いの価値観や「何のために家を建てるのか」などを話し合い、共有しておきましょう。

 

暮らす家族がリーダーで、住宅会社はパートナー

ここまでの話を聞いて「価値観の共有なんて難しい!お金さえしっかり払えば、住宅会社がなんとかしてくれるものじゃないの?」と、思う方もいるでしょう。

 

しかし、住宅会社に何も要望を伝えずにお金だけ支払ったとしても、満足のいく住まいは完成しません。

なぜなら、住宅会社やそこに紐づく職人さん達は、専門家として家族の要望を叶えることが仕事のため、要望がない状態では動けないのです。

 

家づくりでは、その家で暮らす家族がリーダーであり、住宅会社は専門的立場のパートナーになります。

 

リーダーである家族が、パートナーが動きやすいように互いの価値観を共有し、要望をまとめて伝えなければ家づくりは行えません

住宅会社や職人さん達のためにも、しっかりと家族内で価値観の共有を行いましょう。

 

暮らし方(ライフスタイル)を考えよう

 

要望を上手にまとめるには、暮らし方(ライフスタイル)に焦点を置いて話し合いましょう。

暮らし方(ライフスタイル)とは、有限であるお金と時間をどのように配分し、豊かで幸せに生きていくかということです。

そして、お金は生涯収入を、時間は寿命を意味します。

例えば、

・便利な街中居住は土地の取得費用が高いけれど、移動時間も確保でき、家の費用も抑えられる

・移動時間が長い田舎の土地を買うと、取得費用は安くなり家に十分な費用をかけられるため、生活環境の充実に繋がる

・旅行が趣味で家を空けることが多いため、土地や建物のコストを抑えて旅費にまわす

 

など。

このように、何かを抑えた分、何かを得ることにも繋がるのです。

 

例に挙げた、家や土地ではなく旅費に投資するケースのように、家以外を優先することで、家族が豊かで幸せになる場合もあります

 

「何に投資するか」「お金と時間の割合をどうするか」を明確にするためにも、価値観の共有は細かく行いましょう。

この価値観共有を経て、ようやく家を建てる準備を始められます。

自分達にあった暮らし方(ライフスタイル)を理解して、家づくりに取り組んでくださいね。

 

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