一級建築士 つるみーの
家づくりコラム

家を建てる前に知っておくべきこと

家づくりは何から始めるのが正解?後悔しないための全手順【2026年最新版】

最終更新日:2026年5月15日

家づくり何から始めればいいのか悩む

この記事にたどり着いたあなたに最初にお伝えしたいことは、とりあえず展示場・内見会に行くことはやめてください。

家づくりは、多くの方にとって人生で最も大きな買い物の一つであり、初めての経験となるため、「何から始めればいいのか」「どのような流れで進むのか」といった疑問や不安を感じるのは自然なことです。住宅展示場を見学してみたけれど、どこを見たらいいか分からなかった、複数の会社を回ったけどどう進めていいか分からなくなった、予算の不安が大きいといった声も少なくありません。知識や経験がないまま進めることは、後悔につながる可能性があります。しかし、事前に適切な知識を学び、計画的に進めることで、理想の住まいづくりをスムーズに進め、後悔を避けることができます。

この記事では、家づくりの基本的な流れと、失敗や後悔を避けるための重要なポイントを、専門家の視点から分かりやすく解説します。

本記事でわかること
  • 家づくりの基本的な流れとは
  • 家づくりを始める前に考えるべき大切なこと
  • 理想を叶えるための住宅会社選びのポイント
  • 家づくりにかかる費用と予算計画の立て方
  • 後悔しないための家づくりの注意点

家づくり、何から始める?全体像と流れ

展示場や内見会に行く前にやるべき目的と予算の整理

総予算を把握する

家づくりを検討し始めたら、まず「何のために家を建てるのか」という目的と、家族の「住まい」に対する価値観を明確にすることが最も重要です。どのような暮らしをしたいのか、ライフスタイルを具体的に考えることから始めましょう。

次に、住宅会社に相談する前に、家を建てるための「総予算」を把握することが非常に大切です。予算が分からないまま住宅会社に相談すると、希望よりも高い金額の提案が出てくる可能性があります。現在の家賃から単純に予算をイメージするのは、間違った判断につながる場合があるため注意が必要です。理想を追うだけでなく、教育費やレジャー費なども含め、暮らし全体のお金の流れを考慮した資金計画を行うことが推奨されます。

家づくりの一般的な流れ

家づくりをスムーズに進めるための一般的な流れは以下の通りです。

  • 目的・価値観の整理と予算計画: まずは「どんな暮らしがしたいか」という目的や家族の価値観を整理し、それに合わせて「総予算」を明確にすることが大切です。家づくりで後悔する原因は、知識や経験がないために、自身に合わない選択をしてしまうことにあります。
  • 勉強会や個別相談での学習: 家づくりの基本的な考え方を学ぶために、勉強会や専門家との個別相談に参加することが推奨されます。特に専門家(建築士など)が運営する相談窓口では、中立的な立場から多様な情報やメリット・デメリットを学べます。
  • 住宅会社選び: 整理された要望や予算に基づき、自分たちに合った住宅会社を選びます。各住宅会社には得意不得意があるため、自分たちが求めるもの(デザイン、性能、コストなど)に合った会社を選ぶことが重要です。
  • 土地探し(住宅会社との連携): 土地探しから始める場合でも、「住宅会社を先に選ぶ」ことが効率的です。住宅会社は、土地の法的規制や地盤、建物との総額予算など、家を建てる上でのリスクや可能性について専門的な視点からアドバイスできます。また、未公開の土地情報に出会える可能性もあります。

家づくりの流れ

この流れに沿って進めることで、勉強会参加から約11ヶ月で引越しができた事例や、相談から約1年で理想の住まいが完成した事例もあります。ただし、2025年の建築基準法の改正で確認申請に時間がかかるようになったため、1年半ぐらいで早いと考えるのが無難です。このように家づくりは時間もかかり、疲れてしまう人もいますが、一歩ずつ着実に進めることが大切です。

イエタッタカウンターにご相談に来られる方の31.9%は、住宅会社の訪問経験がありません。1社か2社まわったぐらいの方はあわせて36.2%で、「展示場や内見会に行ってみたけどよくわからなかった」という形でご相談に来られます。沢山回るというより、わからないからしっかりと情報取得と整理をした上で家づくりに取り組むのが多いと考えられます。

失敗や後悔を避けるための重要ポイント

予算計画の重要性

予算計画の重要性

家づくりにおいて、予算は最も関心の高い要素の一つです。予算内に収めるためには、住宅費用の減額方法を知ることも有効で、例えば家を小さくすることでコストを抑える方法があります。

住宅の価格は、主に「人件費」と「材料費」で構成されます。材料費は、家の性能や品質(断熱性、耐震性など)に比例して高くなります。一方、人件費は住宅会社の規模や事業展開エリアによって変動する傾向があり、会社規模が大きくなるほど、直接売上に関与しない間接部門(研究開発、人事など)が増え、人件費が高くなる傾向があります。ただし、大手ハウスメーカーの広告宣伝費は、売上に対する割合で決まることが多く、一概に「高い」とは言えません。むしろ、モデルハウスや情報発信の充実により、顧客はイメージしやすさや理解のしやすさといった恩恵を受けることができます。

住宅ローンについても、金利だけでなく、団体信用生命保険(団信)の内容や、つなぎ融資、分割実行といった仕組みをしっかり確認することが大切です。住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)も、お得に家づくりを進める上で知っておきたい制度です。また、住宅ローンは長期で借り入れて、繰り上げ返済で短くしていくのがお得な場合もあります。

また、家の価格は建築費だけでなく、建てた後のランニングコストも考慮する必要があります。例えば、断熱性能が高い家は初期費用(イニシャルコスト)が高くなる傾向がありますが、電気代が安くなるため長期的な光熱費(ランニングコスト)を抑えられます。耐久性の高い材料を選べば、外壁や屋根などのリフォーム頻度が減り、メンテナンス費用を抑えることにも繋がります。

予算計画を立てる際には、世帯年収の何倍といった単純な目安だけでなく、教育費やレジャー費など、暮らし全体のお金の流れを考慮したライフプランニングを行うことが重要です。これにより、家だけが立派で生活が成り立たないといった後悔を避けることができます。

住宅会社選びと要望の整理

住宅会社選びと要望の整理

住宅会社を選ぶ際には、複数の会社を比較検討することが一般的です。ハウスメーカー、工務店、地域ビルダーなど、それぞれの会社に得意不得意があり、どこに依頼するかで家づくりの大きな方針が決まり、成功と失敗の分かれ道になることが多いです。

会社選びのポイントは、坪単価だけで比較するのではなく、会社の規模、家づくりの特徴が明確か、全体的にバランス重視なのかといった点を比較検討することです。

  • ハウスメーカー: 全国展開しており、何千人規模の会社が多く、一般受けするようなバランス重視の家づくりをする傾向があります。モデルハウスや分かりやすい資料が多く、情報量が豊富です。
  • 地域ビルダー: 複数の県(隣接県など)で事業を展開する数百人規模の会社で、地域に合ったバランスの取れた家づくりを得意とします。モデルハウスや展示場を積極的に運営している会社も多く、実物を確認しやすいメリットがあります。
  • 工務店: 特定の都府県のみで事業を展開する十数人規模の会社で、特定の素材へのこだわりや、極めて高い性能など、何かに特化した家づくりが得意な傾向があります。

最も後悔を減らすためには、自分たちが「何が欲しいのか」「どういう暮らしをしたいのか」を明確にし、その欲しいものを得意としている会社を選ぶことが重要です。

要望を整理する方法が分からない場合は、第三者の専門家(一級建築士など)を交えてまとめることで、家族の想いが整理されやすくなります。この際、漠然とした要望ではなく、収納量であれば具体的なモノの量、LDKの広さであれば「どのように使いたいか」「どのように過ごしたいか」といった具体的な使い方や過ごし方を伝えることが、より良い間取りにつながります。

また、要望全てを叶えようとすると予算オーバーになりがちなので、要望に優先順位をつけることが非常に大切です。何よりも予算を重視するのか、それとも特定の機能やデザインを優先するのかを明確にし、優先度の低い要望は諦める覚悟も必要です。夫婦間での意見の食い違いが生じた場合は、それぞれの「今までの暮らしの経験」からくる価値観の違いを理解し、否定せずに共有し合うことで、より良い合意形成ができます。

建売住宅も選択肢の一つですが、間取りやデザインが選べない、高い性能のものが少ない、工事中の様子が見られないといった注意点があります。自分たちの要望をより形にしたい場合は、注文住宅を検討することになります。

家の性能や仕様について

家の性能や仕様について

家を建てる際に頭を悩ませるのが、性能や仕様の話です。

  • 耐震性能: 地震が多い日本では特に重要であり、命と財産を守るために必須です。土地によって地盤の良し悪しも異なるため、土地探しにも大いに影響します。
  • 断熱性能・気密性: 健康と快適さを守るためには、高い断熱性能が重要であり、アパートで感じていた不快感が全くないという声もあります。気密性は断熱性と合わせて意識すべきポイントです。
  • 省エネ性能: 近年、地球温暖化対策の観点から省エネ性能の重要性が増しており、2025年4月には断熱等級4が義務基準になりました。最低が断熱等級4、最高等級は7、2030年には義務基準を断熱等級5に引き上げることも議論されています。

一般的に、性能や品質を高めると初期費用(イニシャルコスト)は上がります。しかし、断熱性能が高ければ電気代などのランニングコストを抑えることができ、耐久性の高い材料を選べば将来的なリフォーム費用を削減できるなど、長期的な視点でのメリットも大きいです。

専門家協力のもと断熱性能による電気代の違いと工事費の違いをシミュレーションしたのが下記の表です。断熱等級4と高性能と呼ばれている断熱等級6の住まいを比較すると、28年で工事費の追加金額を電気代の差で埋めてくれます。もちろんエアコンの使い方をはじめとした家庭ごとのライフスタイルによって異なりますが、初期費用(イニシャルコスト)を下げて長く暮らすとランニングコストでどこかで逆転されてしまうことがあるので予算の設定には注意が必要です。

延床面積36.3坪、6地域、北陸電力くつろぎナイト12(再エネ賦課金は計算外)、2025年時点
エネルギー量 電気量 電気料金 工事費の差
断熱等級4 49,610MJ/年 5,512kWh ¥361,558 ¥0
断熱等級6 41,871MJ/年 4,652kWh ¥308,245 ¥1,500,000
電気料金の差と工事費の差がうまる期間(年) 28.1年

当然、耐震や断熱、デザイン、土地の立地条件等の全ての希望を叶えようとすると予算オーバーになりがちなので、優先順位をつけて、どこで妥協するか取捨選択できるかがポイントになります。

間取りやデザインの考え方

間取りを調べる

良い間取りやデザインは、その人のライフスタイルや価値観によって異なります。そのため、住宅会社とのコミュニケーションを通じて、具体的に要望を伝えることが非常に重要です。

  • 収納: 単に「収納をたくさん」ではなく、何をどれくらい収納したいのか、具体的な量や種類を伝えることが大切です。
  • LDKの広さ: 「LDK20畳」といった漠然とした広さの希望ではなく、その空間で「どのように過ごしたいか」「どのような使い方をしたいか」といった具体的な活動内容を伝えることで、より理想に近い間取りが実現します。吹き抜けや窓の配置も、空間を広く感じさせるポイントです。
  • 窓: 注文住宅では無駄な窓が多くなるケースもあるため、必要な窓と無駄な窓、良い窓と悪い窓を見分ける視点を持つことが推奨されます。
  • 家事動線: 共働き夫婦にとっては、家事動線を重視した間取りが暮らしやすさに繋がります。
  • 平屋: 階段がないため老後や怪我の時も安心、生活動線がコンパクトになるなどのメリットがある一方で、広い土地が必要になる、工事費が高くなる傾向があるといったデメリットも考慮が必要です。

間取りやデザインの要望を整理する際は、過去の「暮らし」を振り返ることが有効です。実家やアパートで「良かったこと」は新しい家でも取り入れたい点、「不満だったこと」は改善したい点として、要望の理由や優先順位を明確にすることができます。また、家づくりノートを作成し、自分たちの要望や考えをまとめることで、住宅会社に効率的かつ具体的に伝えることができ、比較検討もスムーズに進みます。

まとめ:スムーズな家づくりの第一歩を踏み出そう

念願のマイホーム

家づくりは、多くの方にとって初めての経験であり、多くの情報と決断が必要となるため、何から始めていいか分からないと感じるのは当然のことです。しかし、事前に家づくりの基本的な流れや必要な知識を学ぶことで、不安を減らし、後悔しない理想の家づくりへと繋げることができます。

家づくりを成功させるためには、まず「なぜ家を建てたいのか」という目的や、家族の「住まい」への価値観を明確にし、適切な予算計画を立てること、そして信頼できる住宅会社を見つけることが重要です。後悔する人の多くは、自分たちが本当に欲しいものを明確にせず、会社の得意不得意を理解しないまま進めてしまう傾向があります。

家づくりは疲れることもありますが、その際は「何のために家を建てるのか」という原点に立ち返り、自分たちの要望や優先順位を再整理することが大切です。専門家のサポートを活用することで、家づくりをよりスムーズに進めることができるでしょう。

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家づくりに関する悩みや不安を解消し、後悔しない家づくりを実現するためには、専門家のサポートを受けることが非常に有効です。イエタッタカウンターでは、一級建築士による勉強会や、お客様一人ひとりの状況に合わせた個別相談を完全無料で提供しています。

「何から始めたらいいか分からない」という方も、すでに複数の住宅会社を回って迷っている方も、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。経験豊富な担当者が、あなたの家づくりを丁寧にサポートし、最適な住宅会社選びのお手伝いをいたします。

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コラム監修者

一級建築士[家づくりディレクター]
鶴見 哲也(つるみ てつや)

1986年石川県生まれ。石川工業高等専門学校から新潟大学に編入し大学院修了後、石川県の設計事務所、住宅会社で8年半設計業務に従事。小学校から注文住宅、新築からリノベまで幅広い経験を持つ。本当に良い家づくりをするために、住宅会社を選ぶ前段階でよく学ぶことが大切だと気付き、住宅情報サイト「イエタッタ」を運営する(株)MiraieCompany に入社。第三者の立場から住宅取得希望者に向けて家づくりをわかりやすく学べるようにし、かつ住宅会社向けに建築とマーケティングの知識により住宅会社の課題解決にも取り組んでいる。

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