住宅会社の得意な家、苦手な家
家を建てる会社には、どんなところがあるのだろうか。
ハウスメーカー?工務店?それってどんな会社なの?
家づくりを考えた時、皆さん抱く疑問です。
違いと言えば、ハウスメーカーは全国展開、工務店は地域密着程度しか把握できていない場合が多い。
実は、それぞれ得意な家づくりと、苦手な家づくりがあります。
また、工務店と言っても規模や事業内容によって、中堅ビルダー、フランチャイズ工務店、小規模工務店に分類される。
これらの違いを知ることで、理想の住まいに対して得意な会社に相談できるようになるでしょう。
ただし、これはあくまで大きく分類した時の傾向です。
専門家集団なので、どこの会社でもできないことはありません。
また、得意か苦手化の違いが出る部分としては、耐震性能、断熱性能、機能性、デザインの部分です。
どこに力を入れているのか、またはバランス良くしているのか違いがあります。
性能に関しては、別の記事で詳しく解説してあるので、読み進める前に確認しておくと理解しやすいでしょう。
全国のトレンドを押さえたバランスの良い大手ハウスメーカー
大手ハウスメーカーは、全国規模の会社で社員数は数千人規模。
それぞれ社員は、営業、設計、現場管理等、明確な役割分担で効率的な体制で家づくりに取り組んでいる。
その数千人を安定して雇用できるように、年間数千から万単位の家を全国で建てています。
そのため、多くのユーザーに響くような性能バランスの良い住まいが得意。
全国的な住宅業界のトレンドにも敏感で、熱交換型換気扇(一種換気)や地震の揺れを軽減する制震ダンパーが、標準仕様になっている会社が多いです。
また、これらのシステムを全国展開による莫大な経験値踏まえて独自開発するような研究機関や、製造工場を持っているのも特徴です。
広告宣伝や常設展示場の建設に積極的で、平日休日問わずいつでも見学できる安心感がありがたい。
その分、価格は工務店よりも割高な場合が多い。
つまり大手ハウスメーカーは、全国規模の経験値を活かして住宅業界のトレンドをいち早く押さえ、バランスの良い性能を求めるユーザーにぴったりです。
少し割高かもしれませんが、大手の安心感や行き届いたサービスを受けられます。
地域のトレンドを押さえたバランスの良い中堅ビルダー
中堅ビルダーは、隣県にも事業展開しているような数百人規模の住宅会社です。
大手ハウスメーカー同様、役割分担が明確で効率的な体制。
社員数も数百人と多いため、多くのユーザーに響くような性能バランスの良い住まいが得意です。
住宅業界のトレンドにも敏感で、北陸地方では熱交換型換気扇(一種換気)や制震ダンパーを標準搭載している会社が多い。
また、北陸地方の中堅ビルダーは製材所から発展した企業が多く、今も現役の自社工場を持ち、工場見学できることも特徴です。
広告宣伝や常設展示場の建設に積極的で、大手ハウスメーカーと肩を並べて総合展示場に出展していることが多い。
コスト面は、その地域の平均的な価格ぐらいです。
中堅ビルダーの特徴は大手ハウスメーカーに似ており、その地域密着版だと考えるのが理解しやすい。
大手ハウスメーカーに比べたら経験値は少ないものの、その地域ではトップクラスの実績を積み、平均的な価格帯でバランスの良い家づくりをしています。
全国のノウハウで商品開発、地域の技術力で施工をするフランチャイズ工務店
フランチャイズという言葉は、飲食業界でよく耳にします。
それと同様で、本部となる会社が商品開発を行い、そこに加盟した工務店が商品を取り扱う形です。
開発されは商品は明確なコンセプト(特徴)を持ち、それに合わせた資料が充実しているため、とてもわかりやすい。
また、全国に加盟店がいるため、全国で蓄積した実績で商品を見直していく効率的な特徴がある。
実際に工事をするのは、その地域で事業展開していた工務店のため、本部が提供する商品をアレンジして地域に最適な形に作り上げてくれます。
フランチャイズブランドによって商品は様々で、間取りや外観が決まっているものや、使う材料だけ決まっているものまで様々。
事業規模は小さな工務店でも、本部で全国の加盟店分の材料をまとめ買いする場合があり、使っている仕様の割にリーズナブルな場合があります。
もし取り扱い商品以外の対応となれば、オプション扱いで対応してくれますが、少々割高になってしまうのがデメリット。
これら全て本部の考え方次第なので、本部が作る商品コンセプトに共感できるかどうかがポイントです。
フランチャイズ工務店は、本部と各地域の工務店がタッグを組んだ効率的な住宅会社です。
本部が開発した明確なコンセプトの商品に共感できるユーザーにはピッタリ。
共感できる部分が少なく、オプション工事が増えていく方は避けた方がいいでしょう。
一点突破が真骨頂の小規模工務店
小規模工務店は、その名の通り事業規模が小さな工務店です。
大手ハウスメーカーや中堅ビルダーとは異なり、社員数が少ない。
そのため、社員は営業、設計、現場管理を兼任している場合がほとんど。
また、社員が少ないため、年間に建てられる棟数も限定的。
小規模である最大の特徴は、代表の考えが明確に反映できることです。
耐震性能、断熱性能、機能性、デザインの何かに特化し、明確な特徴を持つ会社が多く、ここに強くこだわりたいという方にはピッタリ。
性能のバランスが良いのが大手ハウスメーカーや中堅ビルダーなのに対して、一点突破と言えるのが小規模工務店です。
そのため、各社様々な特徴があります。
断熱に特化していたり、デザインが特徴的だったり、その会社のコンセプトに共感できるかどうかがポイントです。
コスト面は何に特化しているかによって様々ですが、その地域の平均的な価格ぐらいの予算感で探せば、多くの選択肢が出てきます。
また、「工務店=大工さんの職人の技」というイメージが浸透していますが、現在社員として大工さんを雇用している会社は少なく、社員大工さんがいることが特徴の一つと考えるのがいいでしょう。
このように小規模工務店は、耐震性能、断熱性能、機能性、デザインの何かに特化したいという方にはピッタリです。
そのため、どこに強みがある会社なのか把握することで、自分たちにぴったりの住宅会社なのか判断できます。
常設展示場を持たない会社が多く、年に数回の完成内見会でしか見れない場合が多いですが、まずは会社訪問で家づくりへの思い、考え方を聞くのがいいでしょう。
何を求めて家を建てるのか
家を建る会社には、大手ハウスメーカー、中堅ビルダー、フランチャイズ工務店、小規模工務店と様々な種類があります。
それぞれバランス重視だったり、何かに特化するのが得意だったりと、家づくりの特徴が異なる。
まずは、自分たちが何を求めて家を建てるのか、何に重点を置くのか整理するのが大切です。
会社の得意不得意を把握せずに会社探しをしても果てしないので、自分たちの要望を整理してから動いていきましょう。