一級建築士 つるみーの     家づくりコラム

2021.04.02

新築住宅について

建売住宅購入の注意点

建売住宅とは

建売住宅とは、土地に住宅が建った状態で販売している住宅です。

土地と建物が一緒に購入できる効率的な住宅形式でしょう。

もちろん、メリットとデメリットがあります。

 

 

建売住宅のメリット

1.注文住宅よりもお手頃な価格

建売住宅は、土地と建物を別々で選ぶ注文住宅よりもお手頃価格のことが多い。

入居者が決まっておらず、その要望が無いため、合理的な材料選定や工事の手を止めない効率的な進行ができるからこそできる価格です。

この価格こそが建売住宅の最大の特徴かつ、選ばれる理由になっていると考えられます。

 

2.建物を実際に見て決められる

注文住宅は、完成するまで実際に見ることができず、イメージパースや類似の写真で想像を膨らませなければいけません。

それに対して建売住宅は、建った状態で販売し、購入前に見学できます。

見学で実際に暮らすイメージをしながら選べるのが、とても嬉しいポイントでしょう。

 

3.スピーディーに入居できる

注文住宅の場合、契約まで半年、そこから入居まで半年というのが一般的なスケジュール。

建売住宅は既に建っているから、スムーズに内見が可能です。

そこでいいなと感じ、住宅ローン等の予算確保ができたら購入となります。

スムーズにいけば、1~2カ月の短期間で引越となるでしょう。

このスピード感は、注文住宅ではありえません。

 

 

建売住宅のデメリット

1.間取り、デザインが選べない

既に建っているものから選ぶため、間取りやデザインが自分たちの思い通りのものがあるとは限りません。

コスト面のメリットの反面、どうしても間取りやデザインは合理性の高い似たようなものが多くなっています。

あとちょっとの所で不便さを感じて悔しいこともあるかも。

 

2.高い性能のものが少ない

断熱性能や耐震性能を高くすると、どうしてもコストアップするのが住宅。

そのためお手頃価格を売りにすることが多い建売住宅は、あまり高い性能のものがそう多くありません。

断熱や耐震へのこだわりがある場合は、避けた方がいいでしょう。

 

3.工事中の様子が見られない

通常、注文住宅では工事中の様子を見ながら、お客さんの目でも確認していきます。

建売住宅の場合は、完成してから販売されるため工事中の様子を見ることはできません。

そこで手抜きがないか、欠陥がないかと不安になってしまうことが多いでしょう。

住宅を提供する側として、手抜きして後でクレームになる方が時間も手間もかかります。

そういったリスクは会社として負いたくないので、わざと欠陥住宅を作ることはありません。

どうしても不安だという場合は、第三者による建物状況調査(インスペクション)を利用する手もあります。

 

 

窓に注意して見学しよう

メリット、デメリットを把握した上で建売住宅を選ぶ際、見学の注意点があります。

それは大きな窓が、昼間カーテンを閉めずにいられるかに注目しましょう。

窓は光や風、外の風景を取り込むものです。

特に、外の風景を取り込めるかどうかは、体感的な広がり感や居心地の良さに影響します。

一方で、一般的な複層ガラス(ペアガラス)程度の窓は、壁よりも断熱性能低いことをご存じでしょうか。

つまり、窓として機能しないものは、断熱面でのデメリットが大きくなります。

また、窓の外に目隠しフェンスを追加することで、窓として機能するのはセーフです。

間取りや設備機器の確認も大事ですが、窓に注目して見学してみて下さい。

 

 

こだわりたい人は注文住宅を検討しよう

建売住宅は、お手頃価格で戸建て住宅が手に入るのが最大のメリットです。

しかし、コストを抑えるということは、叶えられるこだわりが少なくなります。

コストとこだわりの関係性は、住宅に限らず食事やファッションでも同じこと。

譲れないこだわりがあれば、注文住宅の方向で検討していきましょう。

注文住宅でコストを抑えたい場合は、土地や建物の規模を見直すことが得策です。

メリット、デメリットを把握して、自分たちのライフスタイルにあった住まいを選んでいきましょうね。

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