一級建築士 つるみーの     家づくりコラム

2021.03.29

新築住宅について

平屋住宅のメリットとデメリット

新築住宅を建てる際、当たり前のように2階建てを選んでいませんか。

条件が整えば、平屋住宅という選択肢も当然あります。

 

「でも…平屋って高いんでしょ?」

 

そんなイメージだけで選択肢から外さず、メリットとデメリットからしっかり判断していきましょう。

 

 

メリット1:階段いらずで老後やケガの時も安心

平屋は名前の通り2階がなく、当然階段もありません。

上下階の移動は、足腰が弱った老後や骨折等のケガをしていると負担になります。

しかも、それが毎日のこととなると大変。

階段いらずの平屋生活は、移動の観点で利便性が高いと言えます。

 

 

メリット2:生活動線がコンパクト

間取りにもよりますが、生活動線がコンパクトにまとめやすい特徴があります。

例えば、洗濯から身支度までを考えてみましょう。

2階建ての場合、1階にお風呂やサンルームがあって、そこで洗濯を行います。

乾いた洗濯物は、階段を上って2階の各個室へ。

平屋であれば、階段を上らずに水平移動だけで完結。

また、キッチン周りと洗濯や身支度関係が、2階建てだとどうしても上下階に分かれてしまいます。

それに対して平屋であれば、全てワンフロア―にまとまっているため、同時に様々な家事をこなしやすいでしょう。

 

 

メリット3:外が近く一体感のある暮らしができる

平屋は全ての部屋が地面に接しているため、外と一体感のある暮らしができます。

庭を整えたり、テラスや縁側を設けたり、外とつながった開放的で豊かな雰囲気になるでしょう。

また、いざという災害時にはすぐ外に避難することもできます。

 

 

メリット4:メンテナンス費用が削減できる

どんな住宅でも、将来的にメンテナンスが必須です。

外壁や屋根に関するメンテナンスの場合、足場を組むことになります。

平屋であれば足場が低く、小さな面積で済むため、メンテナンス費用が若干抑えられるでしょう。

 

デメリット1:広い土地が必要

平屋と2階建てで同じ床面積の家を建てる場合、平屋の方が広い土地が必要になります。

中心市街地だと土地が狭くて難しい場合が多く、郊外で土地探しをする方がいいかもしれません。

もしくは、土地の規模に合わせてコンパクトな間取りで計画して解決していきましょう。

 

 

デメリット2:工事費が高くなる

平屋と2階建てで同じ床面積の家を建てる場合、平屋の方が工事費が高くなります。

工事費の中で、基礎や屋根に関する面積当たりの単価が高いのが要因。

足場が低くていい点や階段がいらないことで、落ちる工事費もありますが、全体的には高くなる傾向です。

 

 

デメリット3:日当たりが悪くなる

周りに建物が建っている場合、建物の影に隠れて日当たりが悪くなることがあります。

そのため、敷地選びは建物の周囲に十分な空きがあることが望ましいです。

または、ロの字型やコの字型といった中庭のある間取りを検討しましょう。

 

 

デメリット4:プライバシーや防犯上の問題

「外と一体感のある暮らしができる」というメリットは、プライバシーや防犯上はデメリットにもなりえます。

道路や隣の家からよく見えるようになるため、プライバシーが確保しにくい。

外とのつながりを意識して大きな窓ばかりにすると、防犯上も侵入しやすくなってしまいます。

そのため平屋の場合は、フェンス等の外構工事を充実させる方が安心です。

 

 

平屋暮らしがオススメな人

平屋のメリットとデメリットが分かったところで、こんな暮らしがしたい人、できる人にオススメです。

  • 家庭菜園や庭いじりが好きな人
  • 郊外や田舎でゆったり暮らしたい人
  • コストを抑えたコンパクトな住まいで、工夫して暮らせる人

大切なのは、自分たちのライフスタイルや価値観にあった暮らしかどうか。

平屋は難しくても、2階が少しだけ乗っているような「ほぼ平屋」みたいなものもあります。

土地との相性もあるため、専門家としっかり相談しながら決めていきましょうね。

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