一級建築士 つるみーの     家づくりコラム

2022.01.13

家を建てる前に知っておくべきこと

住宅費用の減額方法3選

多くの人は家を建てる際、あれもこれもと希望を挙げてしまい気がつけば予算を上回っていることも少なくありません。

住宅購入は、人生の中でも大きな買い物の1つです。

 

「失敗したくない」「購入するなら可能な限り理想に近づけたい」と思うのは当然のこと。

 

しかし予算がある以上、自分の希望ばかりを通すわけにはいきません。

 

予算内に収めるためには、「住宅費用の減額」が方法として挙げられます。

本記事では、住宅費用の効果的な減額方法をまとめました。

まずは減額方法をお伝えする前に、どの位の減額が可能かを見ていきましょう。

 

 

 

100万単位の減額は難しい

最初にお伝えしたいのは、「100万単位の減額は難しい」ということです。

仕上げや住宅設備機器の変更など、小さなところを変えても数万~数十万しか減額できません。

また、住宅1つの購入金額が大きい分、数万円程度の減額では変化を感じにくいでしょう。

 

このような小さな我慢を積み重ねてしまうと、満足度も下がってしまいます。

 

いくら予算以内に収まっても、満足度が低くては住宅を建てる意味がありません。

その家で長く暮らすからこそ、満足度の維持は必要不可欠です。

 

100万単位の減額は、大きなところの削減に注目しましょう。

具体的な方法としては、

 

「家の面積を小さくする」「性能や仕様のレベルを下げる」「人気の土地を避ける」の3つが挙げられます。

 

次は、それぞれの内容を確認していきましょう。

 

 

 

家の面積を小さくする

家の面積が大きくなると、その分建築費用もかかります。

そのため面積を小さくしてしまえば、費用も抑えられるのです。

下記のポイントを押さえて面積を小さくしましょう。

 

1.本当に必要な空間・部屋かを考える

家の面積を小さくするためには、「不要な空間や部屋を作らない」ことが重要です。

理想の住宅像があると思いますが、その通りに部屋を作っても利用する頻度が少なければ費用やスペースの無駄になります。

本当に必要かを考えて決めましょう。

 

例えば、

・親戚の集いのための広い部屋は、年に1度しか使わないから作らずに外食ですます

・子供部屋の使用期間は、10年程だから極端に広くしない

・こだわりや使用目的がないのであれば、和室は作らない

 

など、使用頻度や期間を考えて部屋数を決めましょう。

こうすることによって、不要な部屋や空間の削減に繋がります。

 

2.物の量を把握して、無駄な収納をつくらない

収納も、住宅費用の削減に関わる重要なポイントです。

家を建てる際に、「収納場所が沢山ほしい」と言う人もいます。

確かに収納場所が多いと、部屋の中が物で溢れかえることもなくスッキリします。

 

しかし、「まだ収納スペースに余裕があるから大丈夫」と物を増やす原因にもなりかねません。

 

それを防ぐためにも、「使用頻度の低い物や不要な物はないか」「物の量を把握して、どの位の収納が必要か」を考えて収納スペースを作りましょう。

そうすることによって無駄な収納スペースを作らずにすみ、不要な物を買う心配もありません。

 

 

 

 

性能・仕様のレベルを下げる

住宅費用が高くなる原因の1つに、性能と仕様も関係しています。

今回は、家づくりにおいて注目度が高い項目である、耐震や断熱を例に挙げて見ていきましょう。

この2つを100点にしようとすると、コストが大幅に上がってしまいます。

 

地震が多い日本では、耐震性能を気にする人も少なくありません。

耐震性能は、耐震等級によってランクが3段階に分かれています。

耐震等級3が最も耐震性に優れており、建築基準法の1.5倍の強度。

その次の耐震等級2は、建築基準法の1.25倍の強度で、長期優良住宅の基準にも該当しています。

また、地震が少ないエリアでは建築基準法を満たした等級1で建てられることが多いのも事実。

耐震等級が高ければ費用が高くなるので、コストと比較して納得のいく決断をしましょう。

 

一方で断熱性能は、室温を維持する能力に関わってきます。

高ければ高い程、より快適な生活空間になりますが、工事費用が高くなることも事実です。

しかし費用の減額を考えると無理に上げる必要はないので、生活に支障が出ない範囲で下げましょう。

ただし、断熱性能が高ければ消費エネルギーが少なく、光熱費が安くなります。

月々の住宅ローンと光熱費のバランスで、あえて投資するという考え方も良いかもしれません。

 

そして性能のレベルは、住宅会社選びでも決まります。

要望を引き出すヒアリング力や、話をまとめて提案する力が高い担当者だと、希望する住宅に合った性能を提案してくれるはずです。

そのため複数の住宅会社に足を運び、コミュニケーションをとるなかで信頼できる担当者を見つけましょう。

 

 

 

 

人気の土地を避ける

3つ目は「人気の土地を避ける」です。理由としては、下記の3つが挙げられます。

 

1.利便性の高い土地は値段も高い

2.高い土地がいい土地とは限らない

3.重要なのは、自分たちのライフスタイルに合っているか

 

交通機関が充実し、通勤通学にも最適。さらには教育機関や商業施設も揃っている。

このような利便性の高い土地は人気があり、「暮らしたい」と思っている人も沢山います。

そのため、土地の値段も高めです。

まずは「自分が暮らすうえで、どの程度の利便性が必要か」を考えましょう。

 

例えば、移動のしやすさを重視したい場合。

「2駅分くらいなら離れていても大丈夫」であれば、人気のある土地の周辺地域に注目。

バス停や駅など交通機関が近い土地を選べば、移動に対する不自由さも軽減できます。

都市部から離れていれば、土地の値段も比較的安いでしょう。

 

確かに、「高い=人気がある良い土地」の場合もあります。

しかし、自分にとっても良い土地とは限りません。

自分たちのライフスタイルに目を向け、何を優先したいかを考えて選ぶことが大事です。

 

今回は、住宅費用の減額方法を紹介しました。

マイホームに1つでも多く自分の理想を取り入れるためには、どこかの費用を抑えなければいけません。

 

紹介した3つの減額方法を参考に、削減できるところはないか見直してみてください。

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