一級建築士 つるみーの
家づくりコラム

お金のこと家を建てる前に知っておくべきこと

【2025年】住宅の省エネ化に関する補助金「子育てグリーン住宅支援事業」とは?

最終更新日:2025年1月21日

「これから家づくりを始める予定だから、住宅の補助金について知りたい!2025年の最新情報は?」

 

2025年の住宅補助金について知りたい方へ。

 

こんにちは、イエタッタカウンター・一級建築士の鶴見です。

 

家づくりは人生でもっとも大きな買い物の一つ。補助金で少しでも出費の負担が減るのであれば、事前に最新情報は知っておきたいですよね。

 

結論を言いますと、国土交通省はここ数年、地球温暖化対策を目指して省エネ性能が高い住宅に補助金を出しているため、2025年も条件さえ満たせば40万円から最大160万円の補助金をもらうことが可能です。

 

ただし、タイミングを逃してしまうと補助金がもらえないなど、いくつか注意点も。

 

というわけで今回は、住宅の省エネ性能に関する補助金について、2025年最新情報をお届けします。

 

前半部分では、省エネ性能の高い住宅に住むメリット、補助金をもらう方法や注意点について解説。

 

後半部分では、2025年の住宅補助金の条件等、詳細をなるべくわかりやすく解説していきます。

 

少し専門的で難しい内容なので、気になる箇所だけでもチェックしてみてください。

 

なお、国土交通省のHPで実際に記載されている内容はこちらです。

国土交通省:住宅の省エネ化への支援強化に関する予算案を閣議決定

 

 

省エネ性能の高い住宅に住むメリット

省エネ性能の高い住宅に住むメリット

 

省エネ性能の高い住宅を建てることでもらえる補助金ですが、それ以外にもさまざまなメリットがあります。

 

  • 光熱費を削減
  • 快適で過ごしやすい
  • 住宅のメンテナンスが少なくなる
  • 自然災害への対応がしやすい

 

上記のとおりです。

 

省エネ性能の高い住宅は気密性・断熱性が高いため、夏は涼しく冬は暖かいです。

 

寒暖差が少ないので、冷暖房の使用量を抑えながら快適に過ごすことができます。

 

また、結露の発生も防ぎやすく、結露を放置して家の柱が腐食するといった劣化の心配も少ないため、メンテナンスの手間を減らすことができるでしょう。

 

後に解説する補助金の対象住宅によっては必須ではありませんが、太陽光発電を設置すれば電力の確保ができるので、災害時にも強い味方となります。

 

地球に優しく補助金も支給される高性能住宅ですが、それ以上に、住む人に快適性や安心性という恩恵をもたらしてくれるのが大きなメリットですね。

 

簡単ではありますが、以上が省エネ性能の高い住宅に住むメリットです。

 

 

省エネ性能の高い住宅にして補助金をもらう方法

省エネ性能の高い住宅にして補助金をもらう方法

 

では、実際に省エネ性能の高い住宅にして補助金をもらうにはどうすればいいのでしょう。

 

まず建売住宅・分譲住宅ですが、こちらは条件を満たした住宅を購入すればOKです。

 

販売時に高性能住宅であることを宣伝しているとは思いますが、念のため担当会社に補助金の受け取りは可能かどうかの確認をしておきましょう。

 

次に注文住宅ですが、基本的にはどの住宅会社でも補助金の条件を満たす高性能住宅を建てることは可能です。

 

家づくりの早い段階で相談し、必要な性能・設備を視野に入れた打ち合わせができるようにしておきましょう。

 

 

※ただし、性能を標準仕様で満たしていない会社は追加料金で性能をあげる必要があります。

※また標準仕様で取り組んでいないということは、その性能の実績が少ないということでもあるので、標準仕様で高性能化に取り組んでいる会社に依頼する方が質の確保はしやすいでしょう。

 

 

なお、申請に関しては請負会社が対応してくれますし、補助金の受け取り方法も請負会社から振り込まれるのが一般的なので、施主側で申請書類を書くなど特別なことをする必要はありません。

 

補助金をもらう際にはいくつか注意点もあるので、次の項目をご覧ください。

 

 

補助金をもらう際の注意点

 

補助金をもらう際には以下のような点に注意しましょう。

 

  • 着工後では手遅れ
  • 申請手数料が請求される可能性がある
  • 財源となる予算が無くなるともらえない

 

これから家づくりをする方は必読です。順番にご覧ください。

 

 

✔︎着工後では手遅れ

 

注文住宅の場合、着工後に補助金が欲しい旨を伝えても間に合いません。

 

なぜなら、省エネ性能が高いかどうかは住宅会社の自称ではなく第三者期間(登録住宅性能評価機関)による評価書や通知書が必要で、補助金自体の申請も着工前にしなくてはならないからです。

 

つまり住宅会社は、着工前に施主と打ち合わせを重ねたうえで、省エネ性能の高い住宅として認めてもらえるような設計をし、申請をする必要があります。

 

これには施主から事前の申し出がないと難しいので、先ほど触れたように、補助金をもらいたい旨は早い段階で住宅会社に相談しましょう。

 

 

✔︎申請手数料が請求される可能性がある

 

前項で述べたように、補助金の申請には第三者期間(登録住宅性能評価機関)による評価書や通知書が必要。さらに、作成書類も通常の設計業務から増えます。

 

そして、これらには申請手数料(作業費)がかかるケースがほとんどです。

 

よって、補助金の一部は住宅会社の作業費にあてることになるので、このあたりは事前に理解をしておきましょう。

 

 

✔︎財源となる予算が無くなるともらえない

 

補助金は財源となる予算が確保されています。

 

そのため、予算がなくなれば補助金の配当は終了となるので注意が必要です。

 

これから家づくりを始めるようでしたら、まだ補助金の受け取りに間に合うかどうかの確認をしておきましょう。

 

確認の方法は二つあります。

 

一つは、住宅会社に問い合わせて確認する方法です。

 

もう一つは、補助金の公式ホームページで確認する方法。

 

こちらはすぐに確認できるわけではなく、期間中どこかのタイミングでホームページが設立されます。

 

最初のうちは残りの予算が0%や表現自体がない可能性がありますが、いずれ進捗が確認できるようになるはずです。

 

ちなみに2024年のホームページは以下にあるので、参考にチェックしてみてください。

子育てエコホーム支援事業

 

2025年のものはまだ未設立ですが、「子育てグリーン住宅支援事業」で検索すると調べられるようになるでしょう。

 

※2025年1月現在の情報です

 

子育てグリーン住宅支援事業についての詳細は、次から解説していきます。

 

 

【2025年】省エネ住宅の補助金「子育てグリーン住宅支援事業」とは?

【2025年】省エネ住宅の補助金「子育てグリーン住宅支援事業」とは?

 

冒頭でも触れていますが、国土交通省はここ数年、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて住宅の省エネ化を推進するために、省エネ性能が高い住宅に補助金を出す支援事業を実施しています。


※カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロとするもの。排出せざるをえなかった分は「吸収」または「除去」することで実質ゼロになるのを目指します。主に地球温暖化対策として求められている取り組みです。

 

ちなみに、過去の支援事業の名目は以下のとおりです。

  • こどもみらい住宅支援事業
  • こどもエコすまい支援事業
  • 子育てエコホーム支援事業(2024年末で終了)

 

これらに続く新たな支援事業が、令和6年度補正予算案(11月29日)で閣議決定した「子育てグリーン住宅支援事業」です。

 

2025年からは、より省エネ性能の高い住宅が優遇されるようになりました。

 

 

内容をわかりやすく説明すると、省エネ性能が高い新築住宅を建てたり、建売住宅を購入したり、または省エネ性能が高いリフォームを行った家庭に補助金が支給されるという制度です。

 

 

支給される対象世帯、対象住宅、補助額については次から解説していきます。

 

 

子育てグリーン住宅支援事業【新築住宅の補助金】

子育てグリーン住宅支援事業【新築住宅の補助金】

 

2025年に補助金が支給される対象世帯、対象住宅、補助金は以下のとおりです。

 

対象世帯 対象住宅 補助額
すべての世帯 GX志向型住宅 160万円
※子育て世帯等 長期優良住宅 建替前住宅等の除却を行う場合 100万円
上記以外の場合 80万円
ZEH水準住宅 建替前住宅等の除却を行う場合 60万円
上記以外の場合 40万円

 

※子育て世帯等⇒「18歳未満の子を有する世帯(子育て世帯)」または「夫婦のいずれかが39歳以下の世帯(若者夫婦世帯)」

参考:国土交通省 住宅の省エネ化への支援強化に関する予算案を閣議決定

 

 

ちなみに長期優良住宅とZEH水準住宅の補助額欄にある「建替前住宅等の除却を行う場合」とは、難しい言い方にはなっていますが、つまり「建て替えをする場合」という認識でOKです。

 

今回の子育てグリーン住宅支援事業の大きな特徴は、対象がすべての世帯となる「GX志向型住宅」が登場したという点。補助額は160万円と大きいですね。

 

これを見て「どうせ省エネ住宅にするならGX志向型住宅を目指して多くの補助を得たいな」と思うかもしれません。

 

ただ、条件を満たすには実際にどういうものなのかは知る必要があります。

 

というわけで、せっかくならGX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅の3つについて解説していこうと思います。

 

専門的な内容も含まれているので、難しくて読みづらいと感じたら飛ばしても大丈夫です。

 

 

GX志向型住宅とは?

 

GX志向型住宅とは、従来の省エネ住宅の水準を大きく上回るもので、今回の子育てグリーン住宅支援事業で新たに設けられた新区分の住宅です。

 

 

※ちなみにGXはグリーントランスフォーメーションの略で、簡単にいいますと二酸化炭素の排出量を削減する取り組みです。カーボンニュートラルとは若干内容は異なりますが、GXの中の取り組みの一つに存在するのがカーボンニュートラルです。

 

 

GX志向型住宅の条件を満たすには以下のような性能が必要です。

  • 断熱等性能等級6以上
  • 再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%
  • 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%

 

これだけ見ると、ちょっと難しいですね。それぞれの意味について前もってここで解説します。

 

ただ、わからなかったら相談中の住宅会社に「GX志向型の補助金は取れる仕様ですか?」と聞いてみましょう。無理に理解を深めようとするのも大変なので、ブックマーク等をして後で確認できるようにしていただくのも良いと思います。

 

 

✔︎断熱等性能等級とは

 

断熱等性能等級とは、その名の通り住宅の断熱性能のレベルを表す等級で、数字が大きいほど断熱性能が高い住宅となります。

 

等級は4~7まであり、各等級を満たすには定められた基準をクリアできるように、断熱材や開口部などの建材を使用する必要があります。

 

 

※ちなみに2025年4月以降は建築物省エネ法の改正により、すべての新築住宅に等級4級以上を満たすことが義務化されているため、現在は1~3の等級は建てられない決まりです。

 

 

なお、2030年にはさらに基準が引き上げられ、等級5級が最低になる予定となっています。

 

断熱等級を決める要素には「UA値」と「ηAC値」という2つの数値が関係していますが、長くなってしまうので今回は割愛します。

 

断熱性能の本来の目的を専門家目線で解説したコラムもあるので、気になる方はぜひご覧ください。

断熱性能は何のためにあるのか

 

 

✔︎再生可能エネルギーと1次エネルギー消費量

 

【再生可能エネルギーとは?】

 

太陽光、風力、水力、地熱といった自然のエネルギーのことで、枯渇しない、常に存在する、CO2を排出しないといった特徴があります。
わかりやすいのは、近年設置している住宅も増えてきている太陽光発電のエネルギーが良い例ですね。

 

【一次エネルギー消費量とは?】

 

建物で利用するエネルギーの総量です。
住宅で使うものとしては冷暖房、換気、照明、給湯といったエネルギーを指します。

 

 

GX志向型住宅の条件にあるエネルギー消費量の削減率をそれぞれ解説すると以下のようになります。

 

【再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%】

再生可能エネルギーを使わずに住宅で使うエネルギーを35%削減する

この条件を満たすには、外皮性能の基準、高性能な給湯器(エコキュート)・エアコンなどの省エネ設備を組み合わせる必要があります。

 

【再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%】

再生可能エネルギーも含めて住宅で使うエネルギーを100%削減する

この条件を満たすには、省エネ設備に加えて太陽光発電のエネルギーを組み合わせることになるため、太陽光パネルの設置が必須です。ちなみに、寒冷地等は条件が削減率75%となっています。

 

 

長期優良住宅とは?

 

長期優良住宅とは、長期にわたって良好な状態で住み続けられるように、さまざまな措置が講じられた住宅です。

 

具体的には、以下の各項目を一定以上の水準でクリアできていることが、長期優良住宅の認定基準となります。

 

  1. 構造躯体等の劣化対策
  2. 耐震性
  3. 可変性
  4. 維持管理・更新の容易性
  5. 高齢者等対策
  6. 省エネルギー対策

 

各項目の詳細は以下をご確認ください

長期使用構造等とするための措置及び維持お膳の方法の基準

 

 

【長期優良住宅とGX志向型住宅の性能を比較】

長期優良住宅 GX志向型住宅
断熱性能等級5 断熱等性能等級6以上
再生可能エネルギーを除いた1次エネルギー消費量の削減率20%

( 一次エネルギー消費量等級6)

再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%
再生可能エネルギーを含む1次エネルギー消費量の削減率は定めなし 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%

 

 

ZEH水準住宅とは?

 

まずZEH(ゼッチ)住宅とは、家庭で使用するエネルギーと太陽光発電などの設備で生み出すエネルギーの収支を0以下にする住宅です。

 

※ZEH(ゼッチ)とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略

 

 

なお、補助金が支給されるのはZEH「水準」住宅。「水準」がつくと、断熱性能等級と1次エネルギー消費量の削減率のみを表します。

 

わかりやすく言うと、太陽光発電などの創エネの設備は必要ないということですね。

 

 

【ZEH水準住宅とGX志向型住宅の性能を比較】

ZEH水準住宅 GX志向型住宅
断熱性能等級5 断熱等性能等級6以上
再生可能エネルギーを除いた1次エネルギー消費量の削減率20% 再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%
再生可能エネルギーを含む1次エネルギー消費量の削減率 

ZEHは0% 、「水準」は制限なし

再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%

 

 

【注意点】補助金対象外の住宅

 

ここで注意点ですが、以下のような住宅は補助金の対象外となります。

 

  1. 「土砂災害特別警戒区域」に立地
  2. 「災害危険区域(急傾斜地崩壊危険区域または地すべり防止区域と重複する区域に限る)」に立地
  3. 「立地適正化計画区域内の居住誘導区域外」かつ「災害レッドゾーン(災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区または浸水被害防止区域)」内
  4. 「市街地調整区域」かつ「土砂災害警戒区域または浸水想定区域(洪水浸水想定区域または高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域に限る)に立地

 

漢字が多くて難しく感じるかもしれませんが、簡単に説明しますと、

 

  • 土砂崩れや浸水といった災害の危険がある場所
  • 市街化が抑制されている場所

 

このような場所に建つ住宅は対象外ということですね。

 

ご自身でハザードマップを見たり、住宅会社に相談したりして事前に確認をしておきましょう。

 

 

子育てグリーン住宅支援事業【リフォームの補助金】

子育てグリーン住宅支援事業【リフォームの補助金】

 

※こちらの項目はリフォームが対象なので、リフォームの予定がないようでしたら読み飛ばして大丈夫です。

 

補助金は3省の連携により既存住宅の省エネリフォームでも支給されます。

 

内容は以下のとおりです。

 

【環境省】

<高断熱窓の設置> 

補助率1/2相当等

1戸あたり最大200万円

 

【経済産業省】

<高効率給湯器の設置> 

機器・性能ごとに設けられた定額を支援

※賃貸住宅にも補助が出ますが、今回は割愛します

 

【国土交通省】

<開口部、躯体の省エネ改修工事>

◎必要な工事は以下の3点

開口部の断熱改修、躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置

 

 

補助メニューはSタイプとAタイプに分かれています。下の表をご覧ください。

メニュー 補助要件 補助額
Sタイプ 必須工事

※3種の全てを実施

上限:60万円/戸
Aタイプ 必須工事

※3種のうち、いずれか2種を実施

上限:40万円/戸

※開口部の断熱改修、躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置

参考:国土交通省 住宅の省エネ化への支援強化に関する予算案を閣議決定

 

 

上記のように、2種か3種かで補助金の上限額が変わります。

 

なお、以下の付帯工事も対象です。

 

  • 子育て対応改修
  • バリアフリー改修

 

必須工事と合わせて実施し、その内容の合計額と上限額の低い方が補助額となります。

 

 

【まとめ】イエタッタカウンターでは高性能化が得意な住宅会社の相談にも対応しています

 

序盤にも触れているように、基本的に補助金はどこの会社でも対応は可能です。

 

ただし、断熱等級6や長期優良住宅を標準仕様で満たしていない会社は、追加料金で性能をあげる必要があるため、そこにコストがかかってしまいます。

 

また、標準仕様で取り組んでいないということは、その性能の家の実績が少ないということ。

 

結果的には、標準仕様で高性能化に取り組んでいる会社に依頼する方が質の確保はしやすいです。

 

イエタッタカウンターでは、補助金を受けられる性能を得意としている住宅会社の相談にも対応しています。

 

もし省エネ性能の高い住宅で快適な暮らしを求めていて、かつ補助金をもらうことも視野に入れているようでしたら、ぜひイエタッタカウンターにもご相談ください。

 

また、補助金は専門的で難しい部分も多いので、よろしければこのページのブックマークもお願いします。

 

 

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