一級建築士 つるみーの
家づくりコラム

注文住宅で気を付けるポイント

注文住宅の相談先はどこ?後悔しないための5つのポイント

最終更新日:2025年12月29日

注文住宅の相談先はどこ?後悔しないための5つのポイント

家づくりを考え始めたものの、「何から手をつけていいか分からない」「理想の家を建てたいけれど、予算や性能のことが複雑で不安」と感じる方は多いのではないでしょうか。家づくりは人生で最も大きな買い物の一つと言われ、後悔しないためには事前の準備と、信頼できる相談相手を見つけることが非常に重要です。
いきなり住宅会社に行くのは不安という場合は、家づく相談所を利用するのも手段の一つ。といっても、そもそも何を相談して良いのかわからないケースも多いでしょう。

この記事では、注文住宅を検討するにあたって家族間だけではなく信頼できる相談相手と相談すべき要点を抑え、スムーズに理想の家を実現するための具体的なポイントを解説します。

本記事でわかること
  • 家づくりの目的を明確にし、家族で価値観をすり合わせる重要性
  • 後悔しないための予算計画の立て方
  • 自分に合った住宅会社を見つけるポイント
  • 快適な住まいを実現する性能と間取りの考え方
  • 家づくりでよくある後悔事例とその対策

注文住宅で後悔しないための心構え

注文住宅で後悔しないための心構え

家づくりを始めるにあたり、最初に大切なのは「なぜ家を建てたいのか」という目的を明確にすることです。家は人生を豊かにするための「手段」であり、目的ではありません。

目的を明確にし、家族で価値観をすり合わせる

家づくりは、結婚や出産などのライフステージの変化がきっかけとなることが多いですが、それらはあくまで始まりに過ぎません。家を建てた後に「どんな暮らしをしたいのか」「どのように日々を過ごしたいのか」を家族でじっくり話し合うことが重要です。

例えば、「将来的に子どもができたときに広くて部屋数の多い家が欲しい」といった具体的なイメージを持つことで、家づくりの方向性が定まります。

予算は「引き算」で考える

家づくりの予算を決める際は、まず「無理なく返済できる総額」を把握し、そこから諸費用などを引いていく「引き算式」で考えるのが成功の秘訣です。

総予算は、ファイナンシャルプランナー(FP)にライフプランを作成してもらうことで、収入と支出のバランスを考慮したより正確な金額を把握できます。FPは人生の三大支出である「家」「教育資金」「老後資金」を中長期的にシミュレーションし、家にかける予算を明確にしてくれます。

家づくりにかかる費用は、主に以下の6種類です:

家づくりにかかる費用

  1. 土地の取得費用: 土地がない場合に必要です。契約時に必要な手付金は自己資金での支払いが一般的で、売買価格の5~10%が目安とされます。
  2. 本体工事費: 建物本体にかかる費用で、一般的に「坪単価」として表現されるのはこの部分です。
  3. 付帯工事費: 建物以外の工事(外構、地盤改良など)にかかる費用です。
  4. 消費税: 工事費にかかる税金です。
  5. 諸費用: 登記費用や住宅ローン手数料など、手続きにかかる費用です。数十万円から数百万円かかることもあります。
  6. 家具家電購入費用: 引っ越しに伴い新しく購入する家具や家電の費用です。住宅会社の見積もりには含まれないことが多く、意外と高額になるため注意が必要です。

これらの費用を考慮し、ローンで支払えないものの予算として、自己資金は最低でも土地なしで200万円以上あると安心です。

住宅会社選びと土地探しの相談ポイント

家づくりを成功させるためには、自分たちの要望に合った住宅会社を見つけることが非常に重要です。

ハウスメーカーと工務店の特徴を理解する

住宅会社は大きくハウスメーカーと工務店に分けられ、それぞれ特徴が異なります。

ハウスメーカーと工務店の特徴

  • ハウスメーカー・ビルダー: 全国展開や複数県で展開していることが多く、営業・設計・現場監督・コーディネーターといった役割分担がされています。全体的なバランスの取れた家づくりが得意で、品質の安定性や保証が手厚い傾向があります。
  • 工務店: 地域密着型で、特定のデザインや高性能など、何か特定の分野に特化していることが多いです。小規模な会社では、担当者が営業から設計、現場監督まで一貫して担当することもあります。

住宅会社を選ぶ際は、「耐震性能」「断熱性能」「機能性」「デザイン」の4つの要素に注目し、自分たちが何を優先したいかを明確にすることが重要です。優先順位を決めることで、最適な会社選びに繋がります。

土地探しは住宅会社と協力して進める

土地探しは、家づくりの住宅会社を決めてから、一緒に進めるのがスムーズです。これは、土地の条件(法令上の制限や地盤改良の必要性など)によって建物のコストが大きく変わる可能性があるためです。住宅会社は、その土地にどのような建物が建てられるか、追加費用がどれくらいかかるか、災害やコストアップのリスクの有無などを具体的に判断できます。

また、理想の土地に100点を求めすぎず、60~70点以上であれば合格と考える視点も、土地探しをスムーズに進める上で有効です。暮らしの満足度は土地と建物バランスなので、多少の妥協も必要でしょう。。

満足度の注文住宅を実現するための性能と間取りの相談ポイント

理想の暮らしを実現するためには、建物の性能や間取りも重要な相談ポイントです。

断熱性能と耐震性能の重要性

断熱性能

  • 断熱性能: 健康で快適な暮らしに直結し、省エネにも繋がります。2025年には断熱等級4が、省エネ性能に関する義務基準が設定されました。断熱性能が高い住宅は、冷暖房費を抑えることが可能です。例えば、断熱等級6以上の住宅は、エアコン1台で家中の冷暖房が可能なほどの高性能です。
  • 耐震性能: 地震から命と財産を守るために非常に重要です。耐震等級は1から3まであり、数字が大きいほど耐震性が高まります。特に、震度6強~7の大規模地震でも倒壊を免れる基準が求められます。2階建て以下の木造住宅には構造計算の義務はありませんが、許容応力度計算などの構造計算を行っているか住宅会社に確認することが、より高い安全性を確保するために推奨されます。

暮らしに合わせた間取りと収納の具体化

「20畳くらいのLDKが欲しい」といった抽象的な要望ではなく、「どのように使いたいか」「どのように過ごしたいか」という具体的な使い方や過ごし方を伝えることで、より理想に近い間取りが実現します。例えば、開放感を求める場合は、吹き抜けや窓の配置を工夫することで、実際の面積以上に広く感じさせる空間づくりが可能です。

また、収納については「とりあえずたくさん欲しい」ではなく、物の置き場所を具体的にイメージして計画することが、片付く家にする秘訣です。ハンガーにかけるなら、薄手のハンガーで4cm、厚手のハンガーで6cmで1着という目安もあるため、具体的な量がわかる方が理想は叶えやすくなります。また衣類収納であれば、脱衣室からサンルーム、ファミリークロークへとスムーズな家事動線を考慮することで、日々の負担を軽減できます。

よくある注文住宅の相談と対策

住宅相談の窓口イエタッタカウンターの利用者の声から、家づくりでよくある後悔ポイントとその対策が見えてきます。

「検討不足」による後悔とその対策

お客様からは、家自体には満足しているものの、コンセントやスイッチの位置、トイレの照明、外構の仕上がりなど、細かい部分の検討が足りなかったり、暮らしてみてから想像と違っていたりする声が聞かれます。

対策: 家づくりを始める前に「家づくりノート」を作成し、家族の要望を具体的に整理しましょう。間取りや設備だけでなく、日々の暮らしで使う細かな要素まで事前にリストアップし、住宅会社と共有することが重要です。これにより、打ち合わせもスムーズに進み、後悔する可能性を減らせます。

「コミュニケーションの行き違い」とその対策

住宅会社とのコミュニケーション不足や認識のずれが原因で、希望通りの仕上がりにならなかった事例もあります。

対策: 要望や疑問点はその都度、明確に伝えるように心がけましょう。曖昧な表現ではなく、「靴が何足あるからこれくらいの収納が欲しい」のように具体的な量や使い方を伝えることで、誤解を防ぎやすくなります。また、要望には優先順位をつけ、予算とのバランスを考えながら伝えることが、矛盾のない計画に繋がります。不安な点や分からない点は、納得がいくまで質問し、解決しておくことが大切です。

対策に役立つ家づくりノートの活用

家づくりノートは、家族の要望や価値観、予算、スケジュールなどを一冊にまとめることで、家づくりをスムーズに進めるためのツールです。

対策に役立つ家づくりノートの活用

具体的には、以下の項目を整理するのに役立ちます:

  1. なぜ家を建てようと思ったのか
  2. 今住んでいる家の不満点
  3. 今住んでいる家の良い点
  4. どんな趣味や生活がしたいか
  5. どのような性能が欲しいか(耐震、断熱、機能性など)
  6. どんな場所(土地)に暮らしたいか
  7. 希望するデザイン・テイスト
  8. 予算イメージ
  9. スケジュール

家づくりノートを作成することで、家族間の要望を共有しやすくなり、住宅会社との打ち合わせも効率的に進められます。
下記のリンクから弊社オリジナルノートの購入も可能です。

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まとめ:理想の注文住宅を建てるために

注文住宅の相談で後悔しないためには、以下のポイントを意識することが重要です。

  • 家を建てる「目的」と「どんな暮らしをしたいか」を家族で明確に話し合いましょう。
  • 総予算を正確に把握し、家づくりにかかる費用全体を「引き算」で計画しましょう。
  • ハウスメーカーと工務店の特徴を理解し、自分たちの価値観や要望に合った会社を選びましょう。
  • 高性能住宅のメリットを理解し、暮らし方に合わせた断熱性能や耐震性能を検討しましょう。
  • 間取りや収納については、具体的な「使い方」や「過ごし方」を伝えて、理想を明確にしましょう。
  • よくある後悔事例から学び、細かい点まで事前に検討し、住宅会社との円滑なコミュニケーションを心がけましょう。

家づくりは多くの情報と決断が必要で、一人で進めるには大変な道のりです。

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コラム監修者

一級建築士[家づくりディレクター]
鶴見 哲也(つるみ てつや)

1986年石川県生まれ。石川工業高等専門学校から新潟大学に編入し大学院修了後、石川県の設計事務所、住宅会社で8年半設計業務に従事。小学校から注文住宅、新築からリノベまで幅広い経験を持つ。本当に良い家づくりをするために、住宅会社を選ぶ前段階でよく学ぶことが大切だと気付き、住宅情報サイト「イエタッタ」を運営する(株)MiraieCompany に入社。第三者の立場から住宅取得希望者に向けて家づくりをわかりやすく学べるようにし、かつ住宅会社向けに建築とマーケティングの知識により住宅会社の課題解決にも取り組んでいる。

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