新築住宅を建てる時に気になるのが無垢材の床。
・温もりがあるってどんな意味?
・伸びたり縮んだりするの?
・傷つきやすいの?
・メンテナンスは必要?
・フローリングよりも高いよね?
などなど、疑問は色々あることでしょう。
そんな疑問に、まるっとお答えいたします!
無垢材は温もりがあるって本当?
まず、無垢材とは一本の木から床材の厚さに刻まれた材料です。
一般的なフローリングは木を圧着した合板の上に、木を模したシートや本物の木を0.2~0.6mmぐらいにしたシートを張ったものになります。
1枚ものの無垢材と、張り合わせでできたフローリングという製造方法の違いに温もりの有無が関係している。
そもそも木は根っこから道管で水分や養分を吸い上げて大きくなります。
実はこの道管の有無が、温もりの有無に関係している。
道管が残っている無垢材は、その微細な穴に暖められた空気を含むことができるため、温もりを感じられます。
一方で、圧着等で道管が残っていないフローリングは、空気を含むことができず温もりは感じられません。
無垢材は伸びたり縮んだりするって本当?
温もりに関係する道管が、木の伸び縮みにも影響します。
無垢材を貼ると、夏と冬で木と木の隙間(目地幅)が変わると耳にしたことがあるかもしれません。
それは湿度の影響を受けて、木が伸び縮みしているからです。
木は乾燥された状態で使用されますが、床材になっても呼吸しながら湿度コントロールをしています。
水分を多く含む時期もあれば、乾いている時期もあるため季節によって伸縮を繰り返す。
一般的なフローリングは、伸びたり縮んだりする隙間(道管)がなく安定しています。
伸びたり縮んだだりする特性は、掃除のしやすさと床暖房の可否に関係する。
特に、床暖房と無垢材を併用する場合、強制的な乾燥状態になるため木が乾燥し過ぎてしまうことも。
それを避けるために、幅が短くて伸縮量が小さな床暖房専用の無垢材があります。
しかし、見た目がうるさくなる、あまりかっこよくないと感じるといった理由で悩まれる方もしばしば。
無垢材は傷つきやすいのか?
無垢材は傷つきやすいと言われることが多い。
しかし、一般的なフローリングが傷つかないわけではありません。
残念ながら無垢材もフローリングも傷はつきます。
では、なぜ無垢材は傷つきやすいと言われてしまうのでしょうか。
理由は、道管の密度によって柔らかい樹種と硬い樹種があるからです。
この柔らかいか、硬いかは足触りの心地良さにも関係します。
多くの人が抱く無垢材イメージは、柔らかい樹種で裸足で歩きたくなる心地良い足触り。
だから、無垢材は傷つきやすいと言われてしまいます。
傷つくことが悪いのかどうかは、その人の価値観による。
経年変化による傷は、味や愛着と捉えることもできます。
また、一般的なフローリングは傷つくと修復が難しいですが、無垢材は比較的簡単に修復可能です。
突き詰めるとどちらも傷がつくし、つきやすさの程度の違いであると認識しておきましょう。
無垢材は定期的なお手入れが必要?
無垢材はお手入れが、必要で面倒くさいというイメージを持たれている場合がある。
そもそもフローリングだからお手入れ不要というわけではなく、家はちゃんとお手入れしないと傷んでいきます。
ただし、無垢材とフローリングで比較すると、耐水性という観点でお手入れ方法と手間が変わる。
木は水に弱い材料ですが、日本の家の床はほとんどが木製の仕上げになっています。
フローリングは製造過程で耐水性のあるコーティングを施し、住人側は通常の掃除をしていれば問題ありません。
一方で無垢材は、現場か工場で塗装でコーティングして耐水性を確保します。
この塗装がはがれてきたり、薄くなってきた頃がお手入れ時です。
頻度は塗装の種類とそこを歩く頻度によって異なりますが、浸透系のオイル塗装などの短いもので1~2年と言われています。
このイメージが強く、無垢材は手間がかかると言われているのでしょう。
しかし、お手入れにも色々あります。
前項で書いたような傷に対しては、フローリングだと修繕が難しいですが、無垢材であればある程度浅いものであれば修繕可能です。
長期的なことを考えると、フローリングは合板とシートの接着剤が劣化して貼り替えが必要になると言われています。
一方で、無垢材をちゃんとメンテナンスして使い、時にはやすりできれいにしていけばかなり長い期間使うことができるもの。
床材に限らずですが、長く使うにはお手入れは必要なので、愛着を持って接していくのがいいでしょう。
無垢材は高いの?
無垢材は高いというイメージがある。
これは大きな間違いで、樹種によっては一般的なフローリングより安いものもあります。
逆に、傷に強い等の高性能でデザインも無垢に近いようなフローリングであれば、無垢材よりも高い商品がある。
つまり、高いか安いかで選ぶのではなく、どんな暮らしをしたいかで選ぶのがいいでしょう。
少し手間はかかるけど、お手入れした分だけ長持ちし、足触りもよい無垢材。
手間が少ないく床暖も対応できるが、住んでいるどこかのタイミングで貼り替えが必要なフローリング。
それぞれの特徴を理解して、自分たちにあった仕上げ選びをしましょう。
ちなみに、無垢材は硬い樹種の方が高い傾向があり、フローリングは高性能のほうが高い傾向があります。