一級建築士 つるみーの     家づくりコラム

2021.03.01

新築住宅について

新築の住宅ローンは35年で本当にいいのか?正しい選び方とは

住宅ローンと聞くと、35年をイメージされる方が多いでしょう。

または、60歳の定年退職までに返したいと、30年や25年を希望される方もいます。

これって本当に正しい選び方なんでしょうか。

 

 

1.住宅ローンは1年刻みで設定できる

住宅ローンは5年刻みの25年、30年、35年、40年という返済期間をよく耳にします。

しかし、返済期間は1年刻みに設定できるため、自分たちの生活に合わせて決めるのがいいでしょう。

当然のことですが、返済期間が短いと月々の返済額は高くなります。

一方で、返済期間の金利総額は、期間が短いと安くなります。

例えば、3500万円を金利1%、元利均等返済方式で借りた場合、

 

・期間40年/月々88,499円/総支払金利7,479,588円

・期間35年/月々98,799円/総支払金利6,495,820円

・期間30年/月々112,573円/総支払金利5,526,411円

・期間25年/月々131,905円/総支払金利4,571,451円

 

このように返済期間によって大きく異なります。

月々の生活を圧迫しないのは、長い期間借りる方法。

支払い金利を少しでも少なくして総返済額をお得にするには、短く借りる方法。

各家庭環境に応じて、適切な判断をしなければなりません。

 

 

2.短く借りたものを期間延長することはできない

次に、返済途中で期間を変えられるって知っていますか?

変えられるとい言っても、大原則として短く借りたものを長くはできません

長く借りたものは、短くできます。

それが「繰り上げ返済」です。

繰り上げ返済とは、月々の返済額以上の金額を支払うことを指します。

その際、返済期間を短くするか、月々の返済額を少なくする2種類ありますが、期間を短くする方が金利削減効果は高い。

賢く、お得に返済しているご家庭は、この繰り上げ返済を効果的に活用しています。

 

 

3.北陸地方の地銀は短期固定がお得

ここで、北陸地方の金利事情について説明します。

全国的に見て特殊なエリアで、2年や3年の短期固定金利が非常に安いのが特徴です。

2021年3月時点で、新規の借入金利は0.35%程度。

これはネット銀行ぐらいしかあり得ない金利になります。

ネット銀行の場合は、借入手続きがメールや電話でのやり取りになり、銀行窓口に比べて大変という意見が多数。

金利の側面から見れば、石川県や富山県は家づくりしやすい地域となります。

 

 

4.住宅ローン減税を効果的に利用するには元金が減らない方がいい

住宅ローンを借りるにあたって逃せないのが「住宅ローン減税」

住宅ローン減税とは、年末のローン残高の1%(最大40万円)が、10年間所得税と住民税から控除されるというものです。

(※2021年時点では、2022年12月末有効な制度となっています。)

個々人の納税額にもよりますが、もし最大限の控除を受けられたらどうでしょう。

短期固定で金利0.35%で借入し、1%が控除されるので、借りた方がお得となります。

また、2021年9月末までに住宅会社と契約すれば、控除期間が13年に延長されてさらにお得。

住宅ローン減税の制度から考えると、控除期間の10年間は元金が減らない方が控除金額が高くなります。

お金を借りて返したいのに、減らない方がお得かもってちょっと不思議ですね。

 

 

5.住宅ローンは長く借りて、繰り上げ返済で短くするのがお得

以上のことから、

 

・住宅ローンは長く借りる

・住宅ローン控除の恩恵をフルに受ける

・繰り上げ返済で期間短縮し、総支払金利を削減する

 

これが、お得に住宅ローンを返す必勝法と考えられます。

もちろん、様々な条件が整わなかったり、返済計画自体がしっかりしていないと実現はできません。

何年で借りるかよりも、どう返していくべきかという視点で、間違いのない住宅ローン返済計画を立てましょう。

そのために、第三者に相談するのも得策です。

イエタッタカウンターが、家づくりをサポートしますので、個別相談や勉強会へのご参加お待ちしております。

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