インターネットで土地探しをしても、いい土地が見つからない理由
石川県、富山県で家を建てる際、まずは会社選びよりも土地探しを優先する方が多い。
実は、土地探しから始めるのは非効率。
なぜなら、ユーザー自身で良い土地を探せる可能性が低いからです。
自身で土地探しをする際、多くの人はインターネットで「〇〇市 土地」と検索します。
しかし、検索結果に出てくる土地は余りものです。
通常、不動産屋さんが土地情報を仕入れた際、すぐにインターネットで公開することはありません。
まずは、取引のある住宅会社に情報提供をします。
住宅会社は土地探し中のお客さんを常に抱えているので、
「あのお客さんの理想にぴったり!」
なんて感じで、該当するお客さんに土地をご紹介。
土地が無ければ家は建てられないし、逆に土地が見つかれば待ちに待った家づくりに取り掛かれる。
近年、好条件の土地が見つかりにくいので、住宅会社の中には土地探しに力を入れている所もあるぐらいです。
そして、住宅会社への情報提供でも選ばれなかった土地、つまり余りもののの土地がインターネット等の一般ユーザーでも見つけられるところに情報掲載されます。
不動産屋さんは、土地の取引で利益を上げるのがお仕事。
その視点で考えると、いつ売れるかわからないインターネット公開よりも、既に土地が欲しいお客さんが集まる住宅会社に優先的に情報提供した方が売れる確率が高い。
最新の土地情報は、住宅会社から手に入れましょう。
住宅会社と一緒に土地探しをするメリット
最新情報が手に入る以外にも、住宅会社と一緒に土地探しをするメリットがあります。
・建物を建てるにあたって、法規やプラン上の課題を整理してくれる
不動産屋さんは、土地や地域情報のプロであり、建築のプロではありません。
そのため、意外と建物を建てるにあたっての法規やプラン上の課題について知らない場合が多い。
法規や条例によっては、適合させる仕様でしか建てられず、工事費が割高になることがあります。
また、お客さんが希望するプランに適した土地なのかについても、検討することは苦手です。
交通の便や資産性の観点で好条件の土地でも、住みたい間取りができなければ理想の暮らしにはならないでしょう。
住宅会社と一緒に探せば、法規やプラン上の課題についても検証してくれるので安心です。
・土地と建物の両方で予算管理をしてくれる
家づくりの予算は、土地と建物の両方を考える必要があります。
多くを望み過ぎて予算オーバーの土地を買ってしまうと、当然家にかけられる予算は低くなり、理想とは程遠い結果に。
最悪の場合、建物が建てられる予算が残っていないことや、住宅ローンの借り入れ限界近くになり、日々の生活が苦しいことにもなりかねません。
予算計画に失敗しない方法は、別の記事で詳しく書いているので参考にして下さい。
理想の住まいは、土地の費用と建物の費用のバランスが大事です。
その点、住宅会社に相談しながらであれば、ちょうどいい塩梅の土地を提案してくれます。
土地の価格は立地条件によって大きく異なるため、想像よりも高いなんてことが多々ある。
また、そもそも希望のエリアに無いなんてこともよくある話。
そのため、土地は価格がわかりにくい。
その点、住宅は会社選びである程度の価格がわかります。
つまり、先に会社選びが出きれば、残った予算で土地探しをするのが効率的です。
そうすることで土地の条件を譲歩して予算を下げるのか、家の仕様や規模を変更して予算を下げるのかという検討もしやすい。
土地選びのポイント
土地の価格は、予算管理をする住宅会社にある程度任せたとして、価格面以外の土地選びポイントがあります。
・土地は60点ぐらいで選ぶ
理想の立地で暮らしても、日々の生活を送るのは家の中です。
100点満点の土地を探しても、恩恵を受けるのはその土地から出掛けたり、帰ってきたりする時ぐらい。
もしくは、有事に手放し売りに出したときです。
そのため、少し割高で100点満点の土地を購入し、家に予算が減ってしまっては、きっと理想の暮らしとは言えないでしょう。
そこでオススメなのが、60点ぐらいの土地を選ぶことです。
土地の不足部分は、家の設計部分で十分補うことができます。
土地が60点でも、家が理想以上の120点なら、合計180点の暮らしの環境です。
土地と家を切り離さず、合計点で高得点の暮らしを目指していきましょう。
・隣の自治体に移ることを考えよう
金沢市にお勤めの方は金沢市での家づくり、富山市にお勤めの方は富山市での家づくりを希望する方が多い。
しかし、どうしても県庁所在地となると土地の価格が高く、予算的には自治体の境界ギリギリなんてこともよくある話。
それでもその市に住むことにこだわる強い理由がある場合を除いては、隣の自治体での家づくりも前向きに検討してみましょう。
なぜなら、行政サービスに大きな違いがあるからです。
行政は自治体に住む住民の税金で、自治体運営を行っています。
そのため1人でも多くの人に住んでほしくて、補助金や行政サービスを充実させている。
逆に、県庁所在地のような自治体では、行政サービスを充実させずとも人口集中が起きています。
つまり、隣の自治体に移った方が土地の予算だけでなく、暮らしにかかわるコストが削減できるかもしれません。
富山県は県下一律ですが、石川県では子供の医療費控除の条件が自治体で異る。
他にも保育園の空き状況、学童保育の空き状況、上下水道料金、補助金の充実度等、様々な要件が異なります。
・意外と大変な高校以上の通学方法
自治体を移ることに共通しますが、意外と大変なのが高校以上の通学方法です。
保育園や小中学校は、一定の距離に立地しています。
しかし、高校となれば学力の問題で、近くの学校では物足りないことや、その逆もある。
立地によっては、公共交通機関が不便な場合があり、高校3年間毎朝毎夕送り迎えが必要なんてことも起きてしまうかもしれません。
お子さんのコミュニティーの問題で、小学校の校区を気にされる方は多いですが、教育への配慮という点では高校の選択肢の広さを気にする方が良いでしょう。
もちろん、お子さんが学校に通う期間は35年の住宅ローン返済期間のうち、1/3の12年間程度です。
その土地、その住まいに暮らす期間はもっと長いので、長期的に満足のいく場所を選ぶのが大切。
・気になる土地は3回確認しよう
もし気になる土地を見つけたら、必ず現地確認を行ってください。
理想は朝昼晩の3回見に行くのがオススメ。
なぜなら、町は生き物のように時間帯によって姿を変えるからです。
・朝の通勤、通学の雰囲気はどうか
・ゴミステーションの様子はどうか
・ゴミの見張り当番があるのかどうか
・昼間の公園でどんな子が遊んでいるのか
・どんな世代の人たちが住んでいるのか
・夜の街灯の雰囲気が安全そうか
時間を変えて3回見ることで、様々な町の様子が確認できます。
その土地に家を建てるということは、その町のコミュニティーと一緒に暮らすことです。
時間をかけてじっくり確認することは難しいですが、なるべく多くの町の情景を見て選びましょう。
土地選びに迷い、家づくりになかなか取り組めない方も多いので、土地にこだわり過ぎず、建物で不足点を取り戻すイメージで取り組んでいきましょう。