一級建築士 つるみーの
家づくりコラム

家を建てる前に知っておくべきこと

家づくりで重視したいことランキング!【お客様からヒアリングした結果を分析】

最終更新日:2025年2月8日

「みんなは家づくりでどんなことを重視しているの?意見やデータを参考にさせて!」

 

これから家づくりを始める方へ。

 

こんにちは!イエタッタカウンター・一級建築士の鶴見です。

 

家づくりを行うにあたって、経験者の意見やデータを参考にしてみたいという方は多いのではないでしょうか。

 

特に、重視していることをランキング形式で見られたら、「取り入れておいた方が良さそうな性能や設備がわかるかも!?」と、思うかもしれませんね。

 

というわけで今回のコラムでは、お客様からヒアリングした集計結果をもとに、家づくりでは何が重視されているのかをランキングにしてみました。

 

また、その順位となった理由も分析してみたので、このあたりも深掘りして解説していきます。

 

 

とはいえ少し結論に触れますと、家づくりで求められているものは、地域や環境、その時の状況などによって人それぞれ。限られた予算の中で、自分たちが何を叶えたいのかを考えることがもっとも重要といえます。

 

 

・・・さて、前置きはこれくらいにして、本編をご覧ください!

 

 

【お客様にヒアリング】家づくりで重視したいことランキング

【お客様にヒアリング】家づくりで重視したいことランキング

 

イエタッタカウンター石川店では以下4つのキーワードを用意し、お客様にこの中から何を重視したいかをヒアリングしてみました。

 

  • 耐震性能
  • 断熱性能
  • 機能性
  • デザイン

 

これから集計結果のデータを公開します。それをもとにしたランキングを発表し、1〜4位それぞれの順位となった理由を解説します。

 

 

なお、このヒアリングでは、お客様が重視したい傾向にあるものがわかっただけでなく、2024年1月の石川能登半島地震が起こった後に大きな変化があることも判明しました。

 

その変化も見ていただきたいので、以下2つの期間に分けて発表と解説をしていこうと思います。

 

  • 2020年4月〜2024年6月
  • 2024年1月〜2024年6月

 

 

前提として、今回この4つのキーワードにした理由は、住宅会社の特徴として表れやすい項目だからです。どれかに特化していたり、バランス重視だったりと、各住宅会社は得意としているものや方向性をブランディングしています。

 

そのため、自分たちの要望として何を優先的に欲しいかを考えたとき、その要望を叶えやすい会社を選ぶための大きな手掛かりとなるので、ここはぜひ参考にしていただけたらと思います。

 

 

2020年4月〜2024年6月のヒアリング集計結果

2020年4月〜2024年6月の期間でお客様にヒアリングした要望の優先順位は以下のような結果となりました。

イエタッタカウンター石川店 2020年4月~2024年6月にヒアリングした要望の優先順位の集計結果

イエタッタカウンター石川店 2020年4月~2024年6月にヒアリングした集計結果

 

 

【家づくりでお客様が重視したいランキング】

1位 断熱性能

2位 機能性

3位 デザイン

4位 耐震性能

 

順位は上記のようになりました!

 

それでは、各順位となった理由を解説します。

 

 

1位:断熱性能

 

耐熱性能を1位に入れた方はずば抜けて多かったです!

 

この理由は、石川県の気候による特徴が大きな要因といえます。

 

まず石川・富山・福井は、年間の降水時間の長さがなんと毎年のようにトップ3に入っています。

 

なかでも石川県は1位になるほどの実力。青空が見えていなくても雨が降っていない曇り空を「晴れ」と言うくらいの気候です。

 

夏はジメジメ、冬はほとんど雨か雪で、気候に対する不満を日常的に感じやすいというのが石川県の特徴。

 

よって、その不満を解決して快適に住みたいという想いが、断熱性能が1位となる結果に繋がったと考えられますね。

 

 

2位:機能性

 

機能性も人気で1位、2位に入れた方が多めでした。

 

石川県では部屋干しで洗濯物を干すのが当たり前です。

 

なぜなら、先ほど触れたように石川県は降水時間が全国1位だからです。

 

そういったライフスタイルが基本となる石川県の家づくりでは、部屋干し専用の部屋としてサンルームを設置するのも当たり前。最近ではその隣にファミリークローゼットという収納部屋を設ける要望も増えています。

 

ファミリークローゼットがあれば、干す、畳む、片付けるという一連の流れをすぐ隣の部屋でこなせますし、ハンガーからハンガーに移し替えるだけで片付けを済ませるシステムにすれば、より家事の負担を減らすことができるなど、とても機能的なお部屋なのです。

 

機能性が人気な理由は、気候の特徴に合わせた生活のなかで、家事の負担を減らしたいという要望が多いという点が考えられます。

 

 

他にも、機能性には以下のような例があります。

 

・玄関からキッチンやパントリーに直結する動線を設けることで、買い物から帰宅した時の重い荷物を運ぶ距離を短くする

 

・子どものお昼寝や大人数が集まって食事会等をするためにリビングの拡張としてのLDK横の和室

 

・脱衣室とサンルームを兼用にし、家族みんなのお風呂が済んだあとに洗濯機を回し、その場で干し、翌日に乾いたら片付けるという行動を一箇所にまとめる(移動が少ないだけでなく省面積によってコスト削減にもなる)

 

このように、気候という観点だけでなく優先したいものを自分たちで考えたうえで、機能的な家づくりを実践しているお客様もいますよ!

 

 

3位:デザイン

 

デザインは1~4位がバランス良く入っていますね。

 

「デザイン=見た目」と捉えている人はファッションと同じように、オシャレにしたいか?無難でいいか?といった思考になると思います。

 

すると重視する人・しない人も極端に分かれるため、1~4位に入れる人もさまざまとなり、結果的にバランス良くなったということが考えられます。

 

しかし、それだけではありません。

 

デザインとは本来「課題解決能力」という側面があります。「デザイン=提案力」という表現がわかりやすいでしょうか。

 

 

ここで少し、住宅会社の担当者のなかでデザイン思考のない人・ある人のお話をしましょう。

 

例えば住宅会社の担当者がデザイン思考のない人であった場合、お客様から求められた要望をそのまま「足し算」で考えてしまう傾向にあります。

 

足し算とは、お客様に求められた要望をそのまま足すだけ足していくということ。これは結果的にバランスの悪い家になるだけでなく、予算も跳ね上がってしまいます。

 

 

逆にデザイン思考のある担当者であれば「引き算」で考える傾向にあります。

 

お客様の限られた予算をもとに、優先順位が高いものに配分しながら要望を整理し、優先順位が低いものは削っていく。結果、お客様の言語化できない潜在的な要望まで深堀りして叶えてくれるため、より満足度の高い提案ができます。

 

 

まとめますと、デザインは見た目というより、本来は課題解決をしながら家全体をより良いものにするためにお客様へ提案する能力なのです。

 

つまり、デザインの順位が満遍なく入っているということは、デザインを下位に答えている人は「デザイン=見た目」、上位に答えている人は「デザイン=提案力」と認識しているというのも理由の一つと考えられます。

 

 

4位:耐震性能

 

気になるのが耐震性能ですね。優先順位を4位にした人も多く、あまり重視していないようにも見えます。

 

「石川は能登半島地震もあったのになんで?」と思うかもしれませんが、これには理由があります。

 

 

まず、北陸は自然災害が少ないことで有名でした。

 

2024年1月の令和6年能登半島地震の前に起きた震災は、2007年3月の能登半島地震になります。

 

これは人口が少ないエリアの災害だったため、家づくり目線ではあまり強く価値観に影響を与えるものではありませんでした。

 

またそれ以前となると、1952年3月の大聖寺沖地震、1948年6月の福井地震まで遡ります。

 

このような歴史から大地震はあまりこないという認識の方が多く、防災対策や耐震性能への意識は決して高くはないエリアでした。

 

 

やはり意識が変わったのは2024年1月の令和6年能登半島地震です。

 

集計結果をこの地震が起きた後の期間である2024年1月~2024年6月で見ると、家づくりに対する意識が大きく変わっていたことがわかりました。

 

次の項目も続けてご覧ください。

 

 

2024年1月~2024年6月に重点を置いた集計結果

2024年1月〜2024年6月の期間でお客様にヒアリングした要望の優先順位は以下のような結果となりました。

イエタッタカウンター石川店 令和6年能登半島地震が起きた後の2024年1月~2024年6月に重点を置いた要望の優先順位の集計結果

イエタッタカウンター石川店 令和6年能登半島地震が起きた後の2024年1月~2024年6月に重点を置いた集計結果

 

【家づくりでお客様が重視したいランキング】

1位 断熱性能

2位 耐震性能

3位 機能性

4位 耐震性能

 

2020年4月〜2024年6月の期間から上記のように変化しました。

 

再び各順位となった理由を解説します。

 

 

1位:断熱性能(変わらず人気)

 

断熱性能は変わらず人気ですね。

 

理由は先ほど解説したとおり、石川県の気候の特徴によるものが大きいです。

 

日常的に不満を感じる部分を解決し快適に住みたいという想いは震災後も変わらない。むしろそれが家づくりの要望・条件を決めるにあたって必須であり、当たり前と考えている人が多いということでしょう。

 

もちろん、住む地域によっては断熱性能を重視する人ばかりではないと思います。

 

そこで注目していただきたいのは「不満を解決する」という点。これは理想の家づくりをするにあたっては必要な考えになるので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

2位:耐震性能

 

耐震性能は2020年4月~2024年6月の期間では4位でした。

 

しかし、令和6年能登半島地震が起きた後の2024年1月~2024年6月に重点をおいてみると、1位の数値が伸びながら4位は減少。耐震性能は全体で2位となっています。

 

 

2007年の能登半島地震と2024年の令和6年能登半島地震の違いは、金沢市近郊にも目に見える被害が出たという点です。

 

2007年は能登まで足を運ばないと被害を目の当たりにできませんでしたが、2024年は金沢市内や近郊の自治体にも目に見える被害がありました。

 

※土砂崩れによって金沢市内の数軒が倒壊し、市内のあらゆるところで瓦屋根が落ちたり、隣の内灘町で液状化現象によって何十もの家屋が住めなくなったり、二次避難先として金沢市内の施設に能登から避難してきたり・・・本当に多くの被害がありました。

 

こういった出来事が、家づくりを考えているお客様の価値観を大きく変えるほどのものになったと考えられます。

 

災害が起きてしまったことによって、家づくりに安全性を求める方がかなり増えたということですね。

 

 

3位:機能性

 

機能性は1位、2位の数値が少し減って3位が増えていますが、先ほどの期間から大きな変化はありません。

 

4項目のなかでは3位という結果ではありますが、それなりに多くの方が求めていることがわかります。

 

これは石川県の気候も理由の一つですが、やはり家事の負担を減らしたい、快適に使いたい、といった要望は多くの方が持っているということでしょう。

 

自分たちのライフスタイルに合わせて、予算との兼ね合いを考えながら機能性にもこだわってみるのもいいかもしれませんね。

 

 

4位:デザイン

 

デザインは4位の数値が一気に伸びていて、この期間にかぎっては重視する人が少ないです。

 

これは「デザインよりも耐震性能の方が大事」と判断した人が増えた結果と考えていいでしょう。

 

なお、デザインについては先ほど解説したように、「デザイン=見た目」と捉える人と「デザイン=提案力」と認識している人に分かれています。

 

「デザイン=見た目」と捉える人にとっては、家づくりは見た目以上に大切なものがあるという考えであれば、耐震性能を重視するのは当然といえます。

 

とはいえ、実際のところは「デザイン=提案力」であり、耐震性能も含めてお客様の優先順位は何かを把握し、そのうえで要望を整理していくことがデザインです。

 

住宅会社を選ぶ際は、担当者とのコミュニケーションを踏まえたうえで、ヒアリング能力や提案力を含めた総合的な「デザイン力」も見極めていきましょう!

 

 

家づくりで重視することは「人それぞれ」であるべき

家づくりで重視することは「人それぞれ」であるべき

 

結論、家づくりで重視することは「人それぞれ」であるべきだと思います。

 

なぜなら、今回のヒアリングの集計結果を見てもわかるとおり、地域の気候、利便性、災害の有無なども含めて、人によって家づくりに求めるものは違うからです。

 

今回でいえば、石川県の気候に合わせたものを重視している人が多く、日常的に不都合に感じている部分を解決するための要望は優先度が高かったですよね。

 

大きな災害があれば、耐震性能など家づくりに安全性を求める傾向にあることもわかりました。

 

例えば地域の気候が安定していたり、近くに川や海がなかったり、大きな災害を経験していなかったりなど、ヒアリングする地域が変われば同じような集計結果にはならないでしょう。

 

 

自分たちなりの価値観を形成しましょう

 

極端な話、家づくりにおいては耐震性能、断熱性能、機能性、デザイン、これらすべてを重視して叶えることが理想です。

 

しかし、それは現実的ではありません。なぜなら、家づくりを行う多くの方は予算が限られているからです。

 

その予算を容易に上げられる方も中にはいるかもしれませんが、ご自身が「それは現実的ではない」と感じるようでしたら、限られた予算の中で何を優先するのかを考える必要があります。

 

今回、お客様のヒアリングをもとに重視されていることをランキング化してみましたが、こういった意見やデータを参考にしたり、他にも色々な事例を見ることが必要なのは間違いありません。

 

ただ、見ているだけでは答えはないのも事実です。予算をもとに優先順位を決めて、それを得意としていて、実績が多い住宅会社を見つけることが理想の家づくりの近道となります。

 

もっとも大切なのは、自分たちなりの基準となる価値観を形成することなのです。

 

 

家族で話し合ってみましょう

 

自分たちの価値観を形成するためにまずやることは「家族で話し合うこと」。

 

地域の気候や災害の有無だけでなく、家を建ててどんな暮らしがしたいのか?ここを考えることがもっとも重要です。

 

なぜなら、家づくりは建てることが目的ではなく、建てたあとに理想の暮らしをすることが目的だからです。

 

今回のランキングも大きなヒントになると思います。理由は序盤にも触れたように、耐震性能、断熱性能、機能性、デザインの4つは、住宅会社の特徴として表れやすい項目だからです。

 

自分たちがどれを求めるか?バランスよく取り入れたいのか?このように要望として何を優先したいのかを考えたとき、その要望を叶えやすい会社を選ぶための大きな手掛かりとなります。

 

こういった点も含めて、家づくりの一歩を踏み出してみましょう。

 

 

最初の一歩として最適なコラムもあります。最初にやるべきこと、やらないほうがいいこと、家づくり全体の流れなどを初心者の方向けに解説しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。


家づくりは何から始める?最初にすべき行動、期間、流れも解説

 

 

「家づくりノート」もおすすめ

 

家づくりで重視することをまとめるなら「家づくりノート」もおすすめです。

 

最初の一歩として家族で話し合うことが重要ですが、それに伴ってノートも作れば、家づくり失敗のリスクもより軽減できるでしょう。

 

家族ですり合わせた価値観をノートにまとめておけば、家づくりもスムーズになりますよ!

 

具体的には、

  • どこの会社に何を話したのかわからなくなる
  • 同条件で比較したいのに会社によって要望の伝え方がバラバラで比較にならない

といった効果が期待できます。

 

 

家づくりノートの作り方等、詳細は以下のコラムをご覧ください。


家づくりノートの作り方!家族の想いをまとめる項目のテンプレート

 

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家づくりで重視したいことランキングまとめ

 

最後に簡単にまとめます。

 

傾向として、日常生活で不都合に感じやすいことは優先順位が高かったですね。

 

これは断熱性能や機能性に答えた方が多かったことで、まさに結果としてわかりやすく表れました。

 

また、大きな自然災害が日常生活に影響してきますと、価値観は大きく変わってしまいます。

 

その証拠に、地震前後で耐震性能の優先順位が大きく変化しました。

 

結論、家づくりにおいて重視されていることは、住む地域の特徴、その時の状況も含め、人それぞれの価値観によって違います。

 

ですので、このコラムを読み終えたら、家族と話し合い、自分たちなりの価値観を形成しましょう。

 

以上です。ご覧いただきありがとうございました。

 

 

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