注文住宅で間取りを検討しているとき、何となく窓をとっていませんか?
多くの注文住宅を見ていると、「無駄な窓が多すぎる」といった印象です。
ではどんな窓が有効なのでしょうか。
1.窓が多くなる理由
まず、なぜ無駄な窓が多くなってしまうのでしょうか。
提案する住宅会社の担当者と建てるお客さんの中には、以下のような心理が働きます。
- 窓は無いよりあったほうがいい
- 後で付けられないから、とりあえず窓をつけておく
- いらないかもと感じる窓でも、無くす理由がわからず小さくするだけ
このようにせっかく設けた窓を、無くす理由が頭を過らない。
迷ってとりあえず設けた窓は、暮らし始めてから使うことは少ないでしょう。
2.必要な窓と無駄な窓
無駄な窓を無くすためには、なぜ窓が必要なのかを知らなければなりません。
窓は、外から3つのものを室内に取り込む機能があります。
- 太陽の光を取り込む
- 風を取り込む
- 風景を取り込む
これら3つのうち1つでも取り込めない窓は、思い切って無くしてもいいでしょう。
また、1つよりも2つ、2つよりも3つ満たしている窓の方が有効性が高い。
逆にどれも満たしていない窓には、大きなデメリットがあります。
それは「ほとんどの窓が壁よりも断熱性能が低い」という点です。
家全体の熱の出入りは、夏は73%、冬は58%が窓からとなる。
壁からの熱の出入りは、夏が7%、冬が15%です。
断熱という観点から見ると、壁よりも窓の方が圧倒的に不利。
石川県や富山県といった北陸の厳しい気候では、断熱性能の低下は避けるべき。
つまり、太陽の光、風、風景の1つも取り込めない窓は、無駄どころかデメリットでしかないとなります。
3.良い窓と悪い窓の簡単な見分け方
太陽の光、風、風景を取り込める窓が良い窓です。
この良い窓を見分ける簡単な方法があります。
それは、カーテンを開けっ放しにできるかどうか。
なぜならカーテンは、外の環境を遮る装置だからです。
窓のメリットが外の環境を取り込むことなので、それを遮る装置が動いていない方が良い窓と言えるでしょう。
そのため良い窓と悪い窓の判断には、窓の外がどんな状況か判断しなければいけません。
よくある失敗例を紹介します。
南側に道路がある敷地。
LDKの窓は当然南側に欲しくなるので、庭に向けて大きな窓を取ります。
しかし、敷地の大きさと駐車台数の関係で庭が設けられなくなり、かつカーポートも欲しいとなると状況は一変。
- カーポートで太陽の光が入ってこなくなる。
- 防犯上、道路から丸見えの窓を開けにくく風が取り込めない。
- 道路からの視線が気になって一日中カーテン閉めっぱなしで、外の風景が取り込めない。
こうなると悪い窓の典型的な形になってしまいます。
もしこのような状況であれば、南側を吹き抜けにして2階に窓を設けると良い窓になってくれるでしょう。
敷地に余裕のある場合は、目隠しフェンスを設けることも有効です。
窓の外で視線を遮り、プライバシー確保ができていれば、カーテンを開けっ放しにする時間も長く確保できます。
4.意味のない窓は思い切って無くそう
まとめると、窓のメリットは
- 太陽の光を取り込む
- 風を取り込む
- 風景を取り込む
この3点で、それを沢山満たしている窓が良い窓となります。
窓のデメリットは、「ほとんどの窓が壁よりも断熱性能が低い」という点。
メリットが1つも無い窓は、断熱性能上劣るため思い切って無くしましょう。
そんな良い窓と悪い窓を簡単に見分ける方法が、「カーテンを開けっ放しにできるかどうか」です。
窓のメリットは外部環境を取り込むこと。
逆にそれらを遮るのがカーテン。
せっかく設けた窓なのに、一日中カーテン閉めっぱなしだと無駄な窓ということです。
道路や近隣建物の方位を考え、吹抜けに窓を設けたり外に目隠しフェンスを設けることで、良い窓にすることもできる。
しっかりと建てる敷地を見て、本当に必要な窓か考えながら計画していきましょう。